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アスベストの研究から専門家のバイアスを示唆

Asbestos study suggests bias in experts
Published online: 05 August 2004; | doi:10.1038/news040802-16
http://www.nature.com/news/2004/040802/full/040802-16.html
Gitlin J., Cook L., Linton O.& Garrett-Mayer E. Acad. Radiol., 11. 843 -
856 (2004).
Janower M. & Berlin L. Acad. Radiol., 11. 841 - 842 (2004).
米国におけるアスベスト訴訟のほとんどは病気ではないヒトによって起こされている、とこの研究では警告している。
米国ではアスベスト暴露は年々減少しているがアスベストが原因で病気になったとする損害賠償請求は増加している。訴訟を起こす側の弁護人に雇われた「B−リーダー」と呼ばれる専門家が被害者のX線写真を判読する。492枚の写真をB-リーダーに読ませると95.9%が「肺実質組織の異常」と診断したが、同じものを独立した専門家に読ませると異常は僅か4.5%であった。こうしたB−リーダーの判断に疑問を投げかける論文はこれが初めてではない。


コメント:訴訟社会米国の暗部でしょうか。損害賠償をもらえるようにするために病気でないものまで病気にしてしまう「専門家」がいるということです。こうして「患者」にされて損害賠償をもらったとして、その「患者」さんは幸せなのでしょうか?自分は病気だと信じて生きるのが好きな人もいますが、普通は病気だと言われていい気持ちはしないと思うのですが。お金さえ取れれば幸せ?でもこの訴訟のせいで倒産する企業も膨大だそうですから、何の非もない誰かが不幸になってるわけです。
それにしても95.9%と4.5%とはすさまじい差です。
病気でない人に病気だと言って自分が正義の味方のようにして有名人になりたがるという「医者」は日本にもいます。気をつけましょう。



EurekAlertより