食品安全情報blog過去記事

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マウスの実験によりプラスチックの発ガンリスクが主張される

Mouse study claims plastics pose cancer risk
27 May 2005
http://www.nature.com/news/2005/050523/full/050523-12.html
マウス胎仔にビスフェノールA 250 ng/kg体重/日を投与し、生後4日で投与を中止した。周産期にビスフェノールA暴露された動物の乳腺は春期発動期には対照群よりterminal end budsと呼ばれる枝分かれ構造が発達していた。これは乳腺の密度の増加を意味する。ヒトにおける乳腺密度の高さが乳ガン発症のリスク因子であることから、これがビスフェノールAの発ガン影響を示唆するものだとしている。
この結果がヒトに外挿できるかどうかは不明であるが、著者であるAna SotoはビスフェノールAがヒトの乳ガンリスクを高めるだろうことを信じていると言っている。
Perinatal exposure to Bisphenol A alters peripubertal mammary gland development in mice
Published online ahead of print May 26, 2005
http://endo.endojournals.org/cgi/content/abstract/en.2005-0340v1
雌CD-1マウス、妊娠9日目に浸透圧ポンプを埋め込み、DMSOに溶解したBPAを母ネズミの体重当たり25又は250ng/kg/日になるように合計14日間投与した(n=6-10、生後4日目まで)。出産7日後にマウス一匹当たり10匹の子どもを選び、生後20、30、4ヶ月にと殺。また生後25日に卵巣を摘出して0.5 microg/kg/日のエストラジオールを浸透圧ポンプで投与した。
乳腺のterminal end buds (TEB)を形態学的に解析し、生後20日では各群に差はなく、生後30日で単位面積当たりのTEBの数が25及び250で増加した。TEB総面積では差がない。
ポンプで投与したE2に反応したTEBについては、BPA250群の方が単位面積当たりのTEBが多い。