食品安全情報blog過去記事

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デュポンがテフロン訴訟をおこされる

DuPont stuck with Teflon lawsuits
25 July 2005
http://www.nature.com/news/2005/050725/full/050725-3.html
テフロンに関連する化学物質についての警告をしなかったと主張する14人がデュポン社を訴えた。最も注目されている物質は、くっつかないフライパンを作る際に使われているパーフルオロオクタン酸(PFOA)で、カーペットや衣料にも使われている。
PFOAの毒性及び発がん性については長い間問題となっており、6月27日にEPAが発表した科学助言委員会の報告書「案」では、これまで「発ガン物質の可能性があるpossible carcinogen」と分類されているPFOAを「発ガン物質と考えられるlikely carcinogen」と結論している。
PFOAはヒト血中や世界中の動物から検出されている。ラットでガンを誘発する濃度はヒトで検出される濃度より高く、工場で暴露される労働者においても有害事象は見られていない。「テフロンコートされた調理器具にはPFOAは含まれておらず、テフロンブランドの商品を使っている消費者は安全である」とデュポン社は言っている。
PFOAがどうして拡がっているのかはわからないが、大気を通じて拡散しているのではないかとEPAの化学者は言う。トロント大学環境化学者Scott Maburyによれば、テフロン製品を通常の調理温度より遙かに高い360℃に加熱するとトリフルオロ酢酸などの関連化合物と同時に痕跡程度のPFOAが放出される*。また彼は繊維や紙をコートするのに使われているポリフッ化アルコールが環境中でPFOAに変換される可能性があると語っている。
ある種のパーフルオロ化合物はPFOAより少なくとも10倍以上環境中によくあり、それらの方が毒性が高いようだとMaburyは語る。こうした物質についてもEPAは調査中である。


このサイトのレファレンスが間違っている(自分のところなのに)
*Nature. 2001 Jul 19;412(6844):321-4.
Thermolysis of fluoropolymers as a potential source of halogenated organic acids in the environment.
目的のポリマー2gを石英容器に入れてオーブンで1分間に11℃の温度上昇で500℃又は360℃まで加熱した(360℃まで上がるのに30分程度)。発生物質は、ポリテトラフルオロエチレンpolytetrafluoroethylene (PTFE:テフロンフライパンにコートされている物質)の場合、10.8% ヘキサフルオロプロペン (HFP)、7.8% トリフルオロ酢酸(TFA)が主。CF3(CF2)nCOOH・ジフルオロ酢酸DFA・モノフルオロ酢酸MFAが全て>0.1。
CF3(CF2)nCOOHのnは1-12で、PFOAはその中の一種。割合は不明だが単純に0.1%の12分の1くらいか?