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食品中安息香酸からのベンゼン生成の可能性について

22.02.2006
http://www.bfr.bund.de/cm/208/hinweise_auf_eine_moegliche_bildung_von_benzol_aus_benzoesaeure_in_lebensmitteln.pdf
ベンゼンは主に呼吸により消費者が取り込む汚染物質である。さらに食品や飲料水に含まれることがある。ベンゼンの主な排出源はガソリンの排気ガスである。ベンゼンは発がん性と生殖細胞毒性がある。現時点での知見ではベンゼンの無害量は知られていない。他の閾値のない発ガン物質同様、ベンゼンの消費者への暴露量はできるだけ削減すべきである。
アスコルビン酸と安息香酸を含むソフトドリンクで、少量のベンゼンが生じるとの疑いがある。安息香酸もアスコルビン酸食品添加物である。安息香酸(E210)は天然にも存在する保存剤でソフトドリンクに最大150 mg/lまで使用が認められている。アスコルビン酸(E300)は天然に多くの果物類に存在し、最大値は定められていない。
異なる濃度の安息香酸とアスコルビン酸を含むソフトドリンクとフルーツジュースの調査により、極微量のベンゼンが検出された。実験室ではある一定の条件で安息香酸からベンゼンが生成することが示された。生成には両物質の濃度の他に銅などの他のミネラル分や飲料のpH、保存温度や紫外線などの因子が関係する。実際の食品でのベンゼン生成の有無や量については確実なことは不明である。
ソフトドリンクのベンゼンによる健康リスク評価には他の暴露源からの摂取量との比較が必要である。現在入手できる分析データからはソフトドリンク中にどれだけベンゼンがあるのか、それが総ベンゼン暴露量にどれだけ寄与するのか、それがリスクの増加につながるのかは判断できない。従ってBfRは現時点でリスクを評価できない。
BfRアスコルビン酸と安息香酸を含むソフトドリンクやその他の食品中のベンゼン含量についてのデータを集めることを薦める。



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