食品安全情報blog過去記事

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科学的意見の募集:DEHP可塑剤を含むPVCを使用した医療器具又は他の可塑剤の新生児やその他のリスクにさらされている集団に対する安全性

Risk Assessment: Scientific Committee on Emerging and Newly-Identified Health
Risks Request for a scientific opinion: The safety of medical devices containing DEHP-plasticized PVC or other plasticizers on neonates and other groups possibly at risk
28-03-2006
http://europa.eu.int/comm/health/ph_risk/committees/04_scenihr/docs/scenihr_q_007.pdf
背景
輸血や透析、気管挿管などで使用される医療器具の一部には柔軟性が必須で、そのためにDEHPなどが使われている。DEHPは医療器具から溶出してある程度の暴露源となる。
新生児や乳児、妊娠中や授乳中の女性などのハイリスク集団でのDEHP暴露について安全性への懸念が表明された。2002年9月に医薬品医療機器に関する科学委員会が、「DEHPを使用したPVCを含む医療器具:新生児などDEHP毒性のハイリスク集団」の意見を採択した。この見解では「これら集団にDEHPによる有害影響があるという根拠はない」としているが「因果関係がないことは全くリスクがないということを意味しない」とも述べている。
新生児や出産前の男の子に医療器具からのDEHP暴露による有害影響の報告がある。既存物質のリスク評価の枠組みでは現在環境中DEHPのTDIを設定することが可能である。従ってSCENIHRはレビューを行い2002年の意見を更新するかどうかを検討する必要がある。市場にはDEHPを含まない医療器具も導入されているが、これら代替物質の長期安全性も不明である。
期限は2007年2月