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リンデン

Information Note
Lindane
26 April 2006
http://www.pmra-arla.gc.ca/english/pdf/infonotes/InfoNote-Lindane-Apr2006-e.pdf
1930年代から2004年12月31日までカナダの農業では土壌や種子(菜種・大麦・トウモロコシ・小麦など)用にリンデンが使用されていた。
1999年3月にヘルスカナダのPMRAはリンダンを含む農業用製品のレビューを宣言した。
リンデンのような残留性有機汚染物質(POPs)の使用制限や除去のための国際合意に調印したため、カナダはリンデン使用を再評価することになった。POPsは分解しにくく生物濃縮され大気や水で国境を越えて運ばれる有害物質である。POPsは地表や水棲環境に沈着して蓄積する。長距離を運ばれるため、アボリジニーや北方集団で食事からの高濃度POPs暴露が見つかっている。
米国EPAと協力してレビューを行い、PMRAは2001年10月に職業リスク評価を終了した。
リンデンの使用は種子処理や植え付けの際の労働者の健康への許容できないリスクがあるため使用を削減した。Crompton Corporation社を除く全てのリンデン使用種子処理剤の登録者は製品の自主的販売取りやめを選択した。
農薬規制法の規定によりCrompton Corporation社は委員会によるヒヤリングを要求し、独立した科学者3人からなる委員会は、この決定の科学的根拠をレビューした。
2005年8月18日、委員会はこの件について保健大臣とCrompton Corporation社宛てに報告書を提出した。この報告についての情報はPMRAのウェブサイトから入手できる。
この報告書において、委員会は意志決定の過程においてPMRAとCrompton Corporation社の両方にコミュニケーション不足を指摘している。特に関係者にリスクアセスメントに影響を与える新しいデータや研究を提供する適切な機会が与えられなかったと考えている。委員会は大臣に対しPMRAとCrompton Corporation社の議論の再開を推奨している。
PMRAはリンデンの再評価の際のパブリックコメント機関が短かったことは認め、その後のPMRAの農薬再評価においてはより長い対話期間を設けている。リンデンの件についてはPMRAはかつての登録者全てとのコミュニケーションを開始している。
また職業リスク評価において、委員会はこの評価が古い限られた暴露データにより影響され、保守的アプローチが執られたと考えている。リンデンのレビューの際、PMRAはその時点で入手できるデータを使用したが、委員会の推奨するように職業暴露リスクについてフォローアップレビューを開始する。この評価では、適切なものであればCrompton Corporation社による新しい暴露データも使用する。さらに毒性評価における不確実性因子の使用に関する内部ガイドラインを適用する。
リンデンのフォローアップレビューは2006年末に完了する予定である。評価の要約とリンデン使用が受け入れられるかどうかについてはレビューの終わりにパブリックコメントを募集する。

リンデン委員会レビュー
http://www.pmra-arla.gc.ca/english/lindane/lindane-e.html



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