食品安全情報blog過去記事

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食品へのカバカバ使用禁止は継続

Ban on kava kava in food to remain
Wednesday 26 July 2006
http://www.foodstandards.gov.uk/news/newsarchive/2006/jul/kavaban
かつてある種のシリアルバーやお茶やスムージーに使用されていたハーブ成分カバカバの英国での使用禁止は継続される。
最近の独立科学助言委員会COTによる科学的根拠の評価に従うものである。COTは食品にカバカバを使用することは健康上のリスクとなると結論した。
カバカバを含む食品の販売や輸入は、COTによる肝障害との関連の指摘により2003年に禁止されている。当時FSAはカバカバの安全性に関する新しいデータが出れば禁止を見直すとしていた。FSAは昨年この禁止が継続されるべきかどうかについての根拠を求めるパブリックコメントの募集を行い、その結果2003年以降英国外でのカバカバによる肝障害が疑われる事例についての情報を受け取った。COTがFSAに提出された情報を2005年12月に精査した。その結果食品中カバカバが重大な肝毒性につながる可能性があるという見解を変更するような根拠はない、と結論した。


カバカバ禁止についてのQ & A
Kava kava ban: your questions answered
Monday 24 July 2006
http://www.foodstandards.gov.uk/multimedia/faq/kavakavaban/
FSAはイングランドにおけるカバカバの販売や流通を2003年1月13日に禁止した。この禁止についての評価が2005年に行われ、カバカバ禁止は継続されるべきという結果になった。
Q.カバカバとは何か?
コショウ科の植物Piper methysticum由来ハーブ成分である。
Q.カバカバは何に使われるか?
葉や根がハーブ食品や医薬品に使用されていた。近年ヨーロッパでは不安や緊張、不眠などの治療用に使用されるようになった。
Q.カバカバが使われていたのはどのような食品か?
主なカバカバ製品はハーブ医薬品として医薬品規制局が規制していた。しかしながら一部にハーブティーやスムージーやシリアルバーのようなカバカバを含む食品もあった。さらにインターネットでカバカバの根や根の粉末が販売されていた。
Q.カバカバの何が問題か?
カバカバを含む製品を使用することにより稀に重大な肝障害が誘発される。肝障害の発生は予想できずメカニズムは不明である。今日までFSAはカバカバを含む製品による可能性のある肝障害の事例110症例を承知している。11人は不可逆的肝障害により肝移植を受け、9人が死亡している。
Q.誰が当初証拠を評価したのか?
医薬品規制局が医薬品の安全性に関する専門家委員会の助言によりリスクがあるとしていた。FSAは食品への使用をCOTに諮問して評価した。
Q.カバカバに関してFSAはどう対応したか?
関係者へのパブリックコメントを経てFSAは食品へのカバカバ使用禁止が必要であると決断した。
Q.この禁止はどのような形で行われたか?
カバカバを含む食品の販売、販売のための所有、提供、宣伝、輸入を禁止する規制を行った。
Q.その規制はいつ発効したか?
2003年1月13日である。
Q.ハーブ治療薬としてのカバカバについてはどうか?
MHRAはカバカバを含むハーブ治療薬を使用しないよう助言すると同時にハーブ製品への使用禁止規制を行った。食品同様2003年1月13日に発効している。
Q.消費者への助言は?
2001年12月以降FSAは消費者にカバカバを含む食品を摂らないよう助言している。これに変更はない。
Q.カバカバ禁止法は本当に必要だったのか?
カバカバ含有製品の摂取は稀だが重大なリスクとなる。適切な公衆衛生保護のために禁止規制が必要だった。
Q.過去に同様の対応を執った例は?
1990年に食品へのトリプトファン添加を禁止したことがある。これはダイエタリーサプリメントとしてトリプトファンを摂取した人の一部に重大な疾患が報告されたことによる。肝障害により市場から排除された医薬品は多数ある。科学的根拠を精査した結果、トリプトファンは一日の摂取量上限220mgまで再び英国市場に販売許可された。
Q.さらに再評価を行うことはあるか?
禁止が必要ないという新しい根拠があれば再評価される。
Q.何故MHRAも同じ製品について助言するのか?
カバカバは医薬品としても食品としても販売されていたため、規制担当局はMHRAとFSAになる。
Q.カバカバ禁止はいつでも評価されるか?
もちろん。
Q.何故2005年に諮問されたのか?
禁止二年後の評価が大臣から要請されていたからである。
Q.最も最近のレビューではそのような根拠が評価されたのか?
関係者から提出された根拠を評価した。
バックグラウンドペーパーは以下。
http://www.food.gov.uk/multimedia/pdfs/TOX-2005-32-Kava-Kava.pdf
Q.誰がレビューを行ったのか?
COTである。議事録は以下。
http://www.food.gov.uk/multimedia/pdfs/cotfinalmin6dec2005.pdf
Q.根拠は何を意味するか?
新しいデータはカバカバの食品中への使用が安全であるとするには不十分である。代謝の研究は肝毒性メカニズムの糾明に役立たない。肝毒性の報告はいまだに続いている。全体的に委員は先の評価を変更する理由はないとしている。