食品安全情報blog過去記事

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メラミンとシアヌル酸の相互作用がリコールされたペットフードによる病気や死亡の一部に関係するかもしれない

Melamine and Cyanuric Acid Interaction May Play Part in Illness and Death from Recalled Pet Food
May 1, 2007
http://www.avma.org/press/releases/070501_petfoodrecall.asp
汚染ペットフードと病気になった動物の剖検の調査の結果、動物への悪影響に関する新しい理論が提示された。メラミンとシアヌル酸の化学反応の結果結晶ができて腎機能を阻害するというものである。
汚染ペットフードの調査は主に中国産成分中のメラミンに焦点を絞っていた。今やメラミンと同様シアヌル酸も死んだ動物の尿から検出された。
死んだ動物の腎の結晶を分析した結果、約70%がシアヌル酸、30%がメラミンで極めて溶けにくい。さらに猫の尿にメラミンとシアヌル酸を混ぜたところ、死んだ動物の腎臓で検出されたのと同じ結晶が直ちにできた。他の二つのメラミン関連化合物、アンメリドとアンメリンの関与も疑われ、現在調査中である。
リコールはまだ継続しているが、AVMAはペットの所有者や獣医に対して、ペットフードの98%は安全と見なされリコールされていないことを再確認する。FDAは現在中国から輸入される小麦グルテンなどについては100%検査を実施している。最近のペットフードのリコールは、食べた動物が病気になったという苦情を受けてのものではなく、問題のある成分が使用されていた可能性があるためである。
病気になった動物の多くは標準輸液療法や対症療法で回復している。
獣医向けにサンプル提出方法を説明しているが、腎臓についてはホルマリンで保存しないように。結晶がホルマリンで融解するためで、100%エタノールで固定するかOCT溶剤に入れて急速冷凍してドライアイス入りで送るかするように。