食品安全情報blog過去記事

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プラスチックを後代に残す

Plastics for posterity
25 May 2007
Katharine Sanderson
http://www.nature.com/news/2007/070521/full/070521-12.html
環境保護主義者はプラスチックが永遠に壊れないと言うだろうが、コレクターや博物館の学芸員は反対のことを言うだろう。
今週ロンドンの博物館で文化的に重要なプラスチックや収集価値のあるプラスチック製品の損壊を防ぐ方法を議論するために会合が行われた。彫刻や絵画に比べてプラスチックの歴史は短いが、一部は既に一世紀以上の歴史を持ちこうした古いものの保存が課題になっている。デンマーク国立博物館のYvonne Shashouaによれば「分解を防ぐことはできない、ただ分解を遅らせることができるだけである。」
PVCは大きな問題の一つである。これは最も多く使われていて、スターウォーズのフィギュアなどは状態が良ければ高値が付く。しかしフォースの力はプラスチックを避けられない分解から守るほど強くはないのだ。
PVCに使用されているフタル酸などの可塑剤は、ただ物理的に一緒になっているだけで化学結合しているわけではないので時間経過とともに外れて表面から漏れだしてくる。もし酸性環境に曝されるとフタル酸の結晶を作る。そして最後には大切に保存していたダースベイダーのフィギュアはこの結晶に覆われてしまう。これは文化的価値も経済的価値も損なう。破壊を防ぐには家庭用冷凍庫に保存することだ。
もう一つは酢酸セルロースや硝酸セルロースを含むプラスチックである。これらのプラスチックは光により開始される止められない連鎖反応により分解する。分解を抑制するには光に当てないことはもちろん、分解の際に出る硝酸や酢酸を含むガスを吸収する活性炭などが検討されている。