食品安全情報blog過去記事

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NZFSAはアスパルテームに関する活動家の見解に異議を申し立てる

Food Safety Authority challenges activists’ views on aspartame
3 August 2007
http://www.nzfsa.govt.nz/publications/media-releases/2007/aspartame-activists-3-8-2007.htm
NZFSAは反アスパルテームキャンペーン活動家による事例報告の主張が、真実に基づかないものであることを懸念している。
NZFSAの代理最高責任者Andrew McKenzie博士は言う。「メディアが広く報道している彼らの主張は甚だしく公益に反する。アスパルテームは世界中で最も良く研究されている物質の一つで、食品添加物の中でも最も高い濃度の許容一日摂取量ADI(40 mg/kg-体重)が設定されている。糖尿病や肥満などの遙かに深刻な健康問題に対処するのに、安全性が証明された砂糖代替品をジャンクサイエンスにより疑うことは非常に残念なことである。」
「こうしたキャンペーン活動家による米国FDAへの誹謗の他に、彼らは英国FSAやヨーロッパ食品安全機関などの世界中の食品安全規制機関がアスパルテームの使用を許可し続けていることをどう説明するのか?事実は、大量の質の高い科学的根拠がアスパルテームは非常に安全な物質であることを示している、ということである。安全ではないと主張している研究は、一流の食品安全機関により欠陥があるものである徹底的に批判されてきたのである。」
「こうしたキャンペーン活動家の言うような、これまで知られていない、アスパルテームが大量の問題を起こすというしっかりした根拠があるのなら、そして彼らが本当に公衆衛生について心配しているのなら、精査できるよう根拠を示すべきである。NZFSAは食品安全に関する新しいしっかりした科学的証拠についてはどんなものでも当然検討するであろう。しかし彼ら活動家が行っている会合や講演内容はしっかりした科学とは言えない。」
NZFSAの主任毒性学者であるJohn Reeve(彼は毒性学に30年以上の経験がある)は、こうした主張をする人は発言の信用性について明らかにする必要があると述べている。
「まとまな人々は「この人は根拠に基づいてモノを言っているのか」及び「そういうことを言う資格はあるのか」を尋ねる必要がある。」
「毒性学のデータは非常に複雑なもので解釈には注意が必要である。全ての生命科学においてと同様偽陽性偽陰性がよくあり、そのようなデータを適切に解釈するには専門性が必要である。過度に単純化した解釈は間違った結論を導く。」
「最もわかりやすい例は最近のイタリアのラットでのアスパルテームがガンを誘発すると主張している研究である。これらの研究はアスパルテームやその他の食品成分の毒性について何らかの情報を提供できるようなものではなかった。実験に使用された動物は自然死するまで生かされ、すなわち加齢の結果を示すように、(加齢の結果、誰もが知っているようにそれは自然のプロセスで、必然的に死亡する)計画された。」
「実際この結果から言えることは、毎日ADIの100倍以上も与えられたにも関わらず、投与群も未処置群と同じだけ長生きしたということで、アスパルテームは安全であるようだということである。もしアスパルテームが彼らの言うように恐ろしく毒性の高いものであるなら、アスパルテーム投与群のラットは早く死ぬと考えるのが論理的である。イタリアの研究者らの主張は彼ら自身のデータから支持されない。」
McKenzie博士は反アスパルテームキャンペーン活動家の主張がメディアで報道されることが一部のリスクの高い人々の健康に悪影響を与えることを心配している。
「証明されていないアスパルテーム−安全な砂糖代替品である−に関する疑惑を報道することで、多くの人の砂糖の摂取量が増え、糖尿病や肥満のリスクが高くなる可能性がある。」
アスパルテームを摂りたくない人は表示を見ればわかる。消費者は情報を与えられた上で選択できる。