食品安全情報blog過去記事

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有害な食品の流行は米国の人々を心配させ続けている

Toxic food trend continues to worry US public
28-Aug-2007
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2007-08/pb-tft081607.php
本「ポットの中の死:歴史における食中毒の影響DEATH IN THE POT: THE IMPACT OF FOOD POISONING ON HISTORY (Prometheus Books, $24)」の紹介。
米国では2006年のホウレンソウの大腸菌汚染事件以降、食中毒への一般の懸念が増大している。実際に統計上増加しているわけではないが、食品のリコールが「流行」しているように見える。これは新しい問題ではなく、著者らはこの本で過去におこった悲劇的な、あるいは奇想天外な食中毒事例とその一般への影響について記述している。
5世紀には汚染穀物に由来すると考えられるアテネでの大疫病がペロポネソス戦争での敗北をもたらした。中世には汚染食品による病気は神の怒りや悪霊の仕業とされ、麦角による筋肉の痙攣などの症状を協会は聖アントニウスの(業)火と名付けて異教徒に対する神の天罰であるとした。同様に17世紀のアメリカでは、清教徒達がカビの生えた穀物による幻覚を魔法と考えた。アメリカ独立戦争に重要な役割を果たしたキングジョージIII世の狂気も砒素中毒事故により誘発された可能性がある。
20世紀には近大工業化社会は食品をより安全にする努力をしてきた。時にその行動は英雄的で、例えばFDA設立初期には若い研究者達による「中毒班」がつくられ自ら食品添加物の毒性影響の実験台になった。今日政府は食品バイオテロに集中的に対応している。
258 pages ISBN 978-1-59102-514-6 Hardcover $24 Publication August, 2007



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