食品安全情報blog過去記事

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細菌は乱交する

Science NOWより
Bacteria Get Promiscuous
30 August 2007
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2007/830/1?etoc
いわゆる「横方向遺伝子伝達」は細菌の中ではよく見られ、抗生物質耐性などを遺伝子交換により獲得して進化してきた。しかし細菌と多細胞生物の間の遺伝子伝達は希であると考えられていた。
J. Craig Venter InstituteのJulie Dunning HotoppらのチームがScienceに8月30日オンライン発表した論文によれば、アナナスショウジョウバエDrosophila ananassaeの遺伝子の中に細菌Wolbachiaのほぼ全長配列(100万bp以上)を発見した。ほとんどのDNA配列は機能していないようだがWolbachia遺伝子の30のRNA転写物を発見している。
これまでゲノム配列決定の才に細菌遺伝子が入っていた場合、汚染と見なして排除していた。しかし遺伝子伝達が広くみられることから、配列決定には今後さらに慎重な配慮が必要である。
Widespread Lateral Gene Transfer from Intracellular Bacteria to Multicellular Eukaryotes
Science DOI: 10.1126/science.1142490
Published Online August 30, 2007

Natureニュースでは
ハエの中に細菌ゲノムが見つかった
Bacterial genome found within a fly's
30 August 2007
Ewen Callaway
http://www.nature.com/news/2007/070827/full/070827-6.html
細菌から動物への遺伝子伝達はこれまで考えられていたよりよくあること