食品安全情報blog過去記事

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eFactor 10月号

NIEHSのニュースレター
http://www.niehs.nih.gov/news/newsletter/index.cfm
一部紹介
内分泌攪乱に関する研究の課題を探る会議
Conference Looks to Future of Research on Endocrine Disruption
NIEHSとEPAが8月27-29日に開催した内分泌攪乱物質(EDCs)分野の研究に関心のある科学者のための会合。中心課題は「基礎的動物実験をヒト疾患理解のためにどうつなげるか」。
EDCsによるヒト健康への影響については未だ意見が分かれている。20年以上の研究の結果、動物への有害影響については明らかとなったが、ヒトへの影響については科学者の間でも合意できていない。この会合では動物データのヒトへの適用、混合物の影響とバイオマーカーの開発、遺伝及びエピジェネティクスの影響、リスクアセスメントに役に立つ動物実験デザイン、の4分野に分けてセッションが行われた。
EDCs分野の研究に出資している理由は「環境中に存在するホルモン活性のある物質がヒト健康に意味のある影響を与える可能性があり、その影響というのは疾患や機能障害である」というものである。欠けているのはヒトデータである。20年以上も研究しているのにヒトデータは出ておらず、ヒトデータがない限りEDCsが健康への脅威となるかどうか疑わしいという疑問に答えることはできない。EDC暴露による影響は小さくて機能的なものであるため、より感受性の高いエンドポイントが必要で現在の方法は不適切である。研究者は単なる毒性の研究から疾患や機能不全研究にシフトすべきである。また良い疫学研究はわずか一つであっても100の動物実験に値する。DESや[1,2]-ジブロモ-[3]-クロロプロパンなどが良い例である。
動物実験をする場合にはリスクアセスメントの枠組みにおいて役に立つデータが出るように実験デザインを考えるべきである。


(今までのEDCs研究が如何にダメダメであったかということをこの分野の専門家自らが認めているような感じ。大体基本的ガイドラインすら無視して実験してるし。本当に役に立つデータを出して欲しいものだ。特に「単なる毒性の研究ではダメ」ってところ重要。ヒトには適用できない投与経路で、あり得ない量を投与して「毒性があった」というような研究は、情報として役に立たないのでやめて欲しい。役に立たないだけでなく変に報道されて「人心を攪乱する」ので有害ですらある。そんなことに資源を無駄遣いしてほしくない。ただこうやって研究の方向性を見直す議論をしているというのはとても健全なことで、日本ではどうなんでしょうか。)
他に
研究者がメディアに対応する場合の訓練
大事なことは何度も強調して、リポーターが仕掛けてくるメディアトラップに引っかからないように、など