食品安全情報blog過去記事

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有害物質を同定するためのゲノム情報利用法を開発すべきである

Genomic Methods to Identify Toxic Chemicals Should Be Developed
October 9
http://www.nationalacademies.org/morenews/20071009.html
国学術研究会議NRCの新しい報告書では、政府機関に対して化学物質や医薬品のリスク評価にゲノムデータを組み込む努力を強化すべきである。ある種の化学物質は遺伝子の発現やその他の細胞の活動を変化させることで健康に影響する可能性があり、こうした過程について研究することでより感受性の高い毒性試験ができるかもしれない。

プレスリリース
報告書は有害化学物質の同定と個人の感受性の高さを理解するためにゲノムテクノロジーの開発を要請する
Report Urges Development of Genomic Technologies for Identifying Toxic Chemicals and Understanding Individual Vulnerabilities
Oct. 9, 2007
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12037
トキシコゲノミクスは現状の毒性試験を補完するより感受性の高い毒性試験につながる可能性がある。それに伴う遺伝情報保護などの倫理的問題解決や技術開発にはヒトゲノムプロジェクト並みの共同計画が必要である。この「ヒトトキシコゲノミクスイニシアチブ」の一環として現在トキシコゲノミクス研究により作り出されている大量のデータを統合した新しいデータベースが必要である。
この努力に不可欠なのはトキシコゲノミクスのデータを集めた単一の公開データベースを作ることで、そのデータベースには伝統的毒性試験で得られた健康影響データが組み込まれていなければならない。そのようなデータベースがあれば分子レベルでの動きと、その結果となる症状の関連を見分けたり、細胞レベルで複数の遺伝子の動きから有害反応を予想したりできるだろう。


報告書要約
毒性予想とリスクアセスメントへのトキシコゲノミクステクノロジーの活用
Applications of Toxicogenomic Technologies to Predictive Toxicology and Risk Assessment http://dels.nas.edu/dels/rpt_briefs/toxicogenomic_technologies_final.pdf


報告書本文
http://books.nap.edu/catalog.php?record_id=12037
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