食品安全情報blog過去記事

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塩味

Salt sense
Andrew Wadge
November 9th 2007
http://www.fsascience.net/2007/11/09/salt_sense
先週私は消費者がどういう食べ物が安全で健康的かに関して受け取るメッセージがしばしば混乱していることを嘆いた。とりわけ我々がたくさんの適切な助言(eatwellのウェブサイトに掲載)を行っているのに。だから日曜日のThe Mailの「今や科学者は塩は悪くないと言っている」という見出しを見てがっかりした。
がっかりしたのには2つの理由がある。1つは栄養に関する科学委員会が詳細に報告しているように塩と高血圧の関係にはたくさんの証拠があること、高血圧は心血管系疾患のリスク因子の一つであること。そしてもう1つはこの記事が 「科学者」は何が良くて何が悪いかについて毎週のように意見を変えるというニュアンスを伝えていることである。
このことは科学的知見がどのように進歩していくかについての根本的理解の欠如を示す。個々の研究が矛盾する意見を発表していたとしても、我々は全ての利用可能な根拠を独立した専門家委員会が評価して、一般向けの助言を発表し ている。たった一人の科学者の意見を根拠にしているわけではない。日曜日のThe Mailの紹介した記事は実際には既存の証拠のレビューで、減塩が 血圧を下げること自体は確認している。ただ塩分と心血管系疾患の直接的関係 については疑問を投げかけている。これは主に心血管系疾患の原因が多数有 り、塩分の影響との関係を長期にわたって大規模に行うことが困難なためであ る。しかしながら高血圧は心血管系疾患の主要なリスク因子であり、血圧を下げることは心血管系疾患リスクも下げる。
減塩の試みをやめないで欲しい−これは良い科学に基づく賢明な助言である。