食品安全情報blog過去記事

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EFSAはバナジウムを含む栄養源についての意見を発表

EFSA issues opinion on nutrient sources containing vanadium
26/02/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178689482553.htm
AFCパネルはある種の食品サプリメント用に使用されるバナジウム含有化合物について否定的意見を発表した。現在AFCパネルは栄養目的で使用される多数の化合物を評価している。
欧州委員会の諮問によりAFCパネルは6つのバナジウム含有化合物の安全性と生物学的利用能についての科学的意見を発表した。AFCパネルはこれらバナジウム源のバナジウム以外の成分はこの意見で検討された量では安全上の懸念はないと結論した。バナジウムそのものの安全性評価は先にNDAパネルが検討しており、NDAパネルはバナジウムによる各種の毒性を指摘している。NDAパネルは入手できるデータからは耐用摂取量を設定できないとも結論している。
これら6化合物のうち5つのバナジウム生物学的利用度は通常の食事から吸収される量より多く、従ってこれらの化合物を含む製品を使用することにより消費者は通常の食事を介するより多くのバナジウムに暴露される。
またクエン酸バナジウム、ビスマルトラトオキソバナジウム、ビスグリシナトオキソバナジウムの使用量や食品分類に関するデータはなく、AFCパネルは6つのバナジウム源の安全な使用あ設定できないと結論した。
これらバナジウム源は食品に使用される可能性のあるビタミンやミネラルのリストには含まれていない。


特定栄養目的食品及び一般用食品(食品サプリメントを含む)への栄養目的で添加されるクエン酸バナジウム、ビスマルトラトオキソバナジウム、ビスグリシナトオキソバナジウム、及び栄養目的でサプリメントに使用される硫酸バナジル、五酸化バナジウム、モノバナジウムアンモニウムに関するAFCパネルの意見
Vanadium citrate, bismaltolato oxo vanadium and bisglycinato oxo vanadium added for nutritional purposes to foods for particular nutritional uses and foods (including food supplements) intended for the general population and vanadyl sulphate, vanadium pentoxide and ammonium monovanadate added for nutritional purposes to food supplements[1] - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food
26/02/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178689480914.htm
AFCパネルは表題化合物について、バナジウム源としての安全性とバナジウムの生物学的利用能について評価した。バナジウムそのものの安全性評価はAFCパネルの権限外である。
五酸化バナジウムからのバナジウムの吸収は低く、通常の食事からのバナジウムの吸収と同程度である。経口投与による硫酸バナジルとモノバナジウムアンモニウムのラットにおける小腸からの吸収及び硫酸バナジルのヒトでの吸収データからはこれらのバナジウム源からのバナジウムの利用度はより高いことが示されている。ビスグリシナトオキソバナジウムについても未発表ヒトデータから同様で、これらバナジウム源からのバナジウムの生物学的利用能は通常のヒトの食事からのバナジウム吸収より高いと推定される。
硫酸やクエン酸アンモニウムなどはSCFやJECFAで検討されていて安全上の懸念はない。バナジン酸複合体中の配位子としてのマルトールやグリシンにも安全上の懸念はない。
しかしながらAFCパネルはバナジウムに関するNDAパネルの意見でNOAELが設定できないと結論し耐用摂取量は設定できないとしたことから、この結論はバナジウムそのものだけではなく今回検討しているバナジウム源化合物にも適用されると考え、安全に使用できる量は設定できないと結論した。