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食品サプリメント中栄養成分として加えられるビタミンE源としての混合トコフェロール・トコトリエノールトコフェロール・トコトリエノールに関するAFCパネルの意見

Opinion on mixed tocopherols, tocotrienol tocopherol and tocotrienols as sources for vitamin E added as a nutritional substance in food supplements[1] - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing aids and Materials in Contact with food (AFC)
10/03/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178692367283.htm
AFCパネルは表記の3つのビタミンE源の安全性と生物学的利用能についてのみ検討し、ビタミンEそのものの安全性については評価しない。ビタミンEについてはSCFが耐用上限摂取量(UL)として(d-アルファトコフェロールとして)成人1日300 mgを設定している。JECFAはアルファトコフェロールとしてADI 0.15-2 mg/kg体重/日を設定している。
混合トコフェロール・トコトリエノールトコフェロール・トコトリエノールの三製品はビタミンE源としての使用が提案されている。これらにはトコフェロールとトコトリエノールが様々な量で含まれる。
トコフェロールとトコトリエノールは生物学的に利用可能で、トコトリエノールの方が血漿半減期が短く組織内分布も天然のビタミンEの主要成分であるアルファトコフェロールとは異なる。
トコトリエノールの生物学的利用能と組織分布がトコフェロールとは異なるようであることと、今回申請されているトコトリエノールを含む製品の組成がトコトリエノールを含む唯一の登録ビタミンE添加物であるE306の組成とは異なるため、今回のトコトリエノール製品にはビタミンEの摂取上限が当てはめられない。
トコトリエノールに富むパーム油抽出物(70%トコトリエノール)のラットでの亜慢性毒性試験データから、AFCパネルはNOAELをオスのラットでは120 mgトコトリエノール抽出物/kg体重/日、雌のラットでは130 mgトコトリエノール抽出物/kg体重/日と導出できる。トコトリエノールの多い画分は細菌の試験では遺伝毒性はなく、長期試験では増殖性病変はない。
混合トコフェロールの摂取
サプリメントからの混合トコフェロールの摂取はビタミンEのULである成人1日300 mgを超えないであろう。
トコトリエノールトコフェロールの摂取
提案されている使用量はアルファトコフェロールの一日あたりの推奨許容量(RDA)に基づいている。ヨーロッパではビタミンEのRDAは10 mgである。トコトリエノールトコフェロールは100 mgあたりアルファトコフェロール11.5 mgとトコトリエノール15.5mgを含むため、1日87 mgのトコトリエノールトコフェロールを摂取する体重60 kgの人のトコトリエノール摂取量は0.23 mg/kg/日となる。これはNOAELの500分の1以下である。
トコトリエノールトコフェロールの成分組成から、一日87mgの摂取でアルファトコフェロール10mgとベータトコフェロール0.44mg(アルファトコフェロール0.22 mgに相当)とガンマトコフェロール3.9mg(アルファトコフェロール0.98 mgに相当)とデルタトコフェロール1.04 mg(アルファトコフェロール0.10mgに相当)を摂ることになる。合計で11.3 mgのアルファトコフェロールに相当し、これはアルファトコフェロールのUL 300mgより十分低い。
トコトリエノールの摂取
申請者はソフトゲルカプセルで最大1000 mgを一日用量として申請している。これは60kgの体重の場合16.7 mg/kg/日となりNOAELの1/7でしかない。
結論として、トコフェロールとトコトリエノールトコフェロールについては申請された使用量において安全上の懸念はない。しかしながらトコトリエノールについては安全性についての結論を出すにはデータが不足している。
(問題:さてこの文章には全部で何種類のビタミンE相当物質の名称が出てくるでしょうか?)