食品安全情報blog過去記事

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混合物に関する声明

Statement on Mixtures
18 April 2008
http://www.advisorybodies.doh.gov.uk/pdfs/mixtures08.pdf
化学物質混合物の変異原性評価について。
混合物全体
COMは混合物全体での変異原性試験とその混合物の分離アプローチについて検討した。そのような研究の主な目的は、食品や汚染物濃縮物や煙草の煙や廃液のような各種混合物の変異原性を調べることである。混合物の変異原性試験データは比較的少ない。混合物を最初はAmes試験のようなin vitroスクリーニング系を用いて調べることには、単独化合物で調べる場合に比べて相互作用や相乗作用を見逃さないというメリットがあるが、複雑な混合物をin vitroやin vivoで検査して変異原性がなかったとしても変異原性がないことを証明できない。
混合物を分離する試み
COMは化学物質混合物の変異原性検査のための分画戦略提案には合意するがこれは一般的概要に過ぎずケースバイケースで対応する必要があることを付け加える。
相互作用研究評価の試み
相互作用がある(相乗作用や拮抗)のか無い(用量相関や相加)のかを見分けるのに「相加性の外枠envelope of additivity」の概念には合意する。 Genningsらのアプローチに合意する。
変異原性に関する化学物質相互作用研究のレビュー
変異原性について化学物質相互作用を報告した文献が多数あるが、再現性の確認や適切な試験方法による相互作用の確認はなく、結論は出せない。現在多数の相互作用仮説が提示されているが、そのようなメカニズムがさらなる研究により適切な変異原性試験戦略で確認されれば公衆衛生上重要であろう。