食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

哺乳瓶のビスフェノールA

Bisphenol A (BPA) in baby bottles
http://www.nzfsa.govt.nz/hot-topics/bisphenol-a-hot-topic.htm
Q & A
BPAとは何か?

BPAの健康影響とは何か?
これまでのところ入手できる情報からビスフェノールAに発がん性はない。BPAは一部のホルモン類と同様の作用をもつ物質のグループに属し弱いホルモン作用があるため「内分泌攪乱物質」と呼ばれることがある。実験動物で低用量 (摂取量)のBPAが生殖系に影響する可能性があることを示唆する研究がある。 BPAは急速に不活性化されて尿に排泄されるのでこうした低濃度では消費者には動物と同じことは起こらないと考えられている。

食品中のごく微量のBPAは問題か?
EFSAは最近BPAの科学文献レビューを完了し「安全限度」を設定した。哺乳瓶でミルクを与えられている赤ちゃんのBPA摂取量は、通常の条件で洗浄し場合は赤ちゃんの「安全量」の10%以下で、熱湯や強力な溶剤を用いて激しく洗浄した場合は約20%であると推定した。成人では缶詰食品や飲料からの推定一日摂取量は「安全限度」の約5%である。NZFSAとFSANZはEFSAの行ったリスク評価に合意する。最近発表されたヘルスカナダのレビューでも暴露量はリスクとなる量より低いと結論している。しかしながらNZFSAとFSANZはその他の規制機関からの評価を検討し続ける。

食品包装容器はどのように規制されているか?

何故カナダ政府はBPA禁止案にパブリックコメントを募集しているのか?
カナダは新しい情報を検討しているわけではない。この問題は数年間検討中で、最近の米国やカナダの報告書は単に研究をまとめただけである。カナダもEFSAもヒト暴露量は影響が出る量より低いと結論している。しかしながらカナダの保健及び健康大臣は哺乳瓶の製造にBPAを使うことの禁止と缶の内側のコーティングへの使用を制限する法案を提案した。この提案は60日間の意見募集を経てどうするか決定される。NZFSAはカナダ政府が自らのプレスリリースにおいて「科学者はこの評価において新生児や乳児へのビスフェノールA暴露はリスクとなる量より低い。しかしながら暴露量と影響量との差が十分大きくない。」と述べていることを注記する。
米国NTPの報告では「現在の暴露量は胎児や乳幼児の神経や行動への影響について幾分かの(some)懸念がある。またこれらの集団において前立腺や乳腺や女性の思春期早発への影響について幾分かの(some)懸念がある」としている。
幾分かの(some)という用語は「最小限の(minimal)」という用語より一段階強いもので、強い懸念があるという意味ではない。
NZFSAは健康影響についての根拠はしっかりしたものではなく現時点で対応が必要なものではないと信じる。我々はこの結論を変更する新しいデータについて監視を続ける。今日まで、何らかの対応を行っているのはカナダのみである。

NZFSAはどう助言するか?
NZFSAは乳児への安全な授乳についての情報をウェブサイトに掲載している。 NZFSAは使用方法に従ってポリカーボネートの哺乳瓶を使っている保護者が乳児をリスクに曝しているとは信じない。しかしながら心配だという人はガラス瓶を使うこともできる。
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