食品安全情報blog過去記事

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子どもの食事はADHDの主要因ではないだろう

EurekAlert!(http://www.eurekalert.org/)より
Children's diet not the main cause of ADHD
29-May-2008
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-05/tsb-cdn052908.php
食品は子どもたちのADHDの主な原因ではないであろう。遺伝、脳機能、喫煙などの親の行動が重要であろう。
科学的根拠をレビューしたところ、実際に食べ物により影響される子どもはごく一部であることがわかった。食べ物や遺伝や環境要因の組み合わせの関与している可能性が高く、単一要因だけによるのではない。
保護者はしばしば子どもたちの多動が食事のせいだと信じており、食事を変えることで問題が解決できると考えている。しかしながら子どもの食事を変えても多動の問題は解決しないであろう。
ADHDは遺伝的要因が大きく、ADHDの両親から生まれた子どもの半分はADHDである。脳の化学物質の不均衡も関与しADHDの子どもたちの脳は平均で4%小さい。
妊娠中の飲酒や環境中の鉛、両親の喫煙などのような環境中有害物質と遺伝子の相互作用が注意欠陥に関与する可能性がある。
Critical Reviews in Food Science and Nutritionの5月号に発表されたレビュー。
英国では最大9%の子どもたちがADHDと診断されている。注意散漫や落ち着きがないなどの問題は4才くらいでみられる。
(9%?それって本当にADHD?イギリス人って子どもが嫌い?小さい頃集中力があっておとなしい子どもは学校に行くようになって積極性が足りない等と言われて辛い思いをしますけど?大人って勝手だよね)


はてなブックマークから来てこの記事だけを読む人がいるようなので追記。
このレビューはFSAの一連の着色料の取り扱い問題を背景にしたもの。
背景情報としては以下の記事も参照。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=2078
FSAによる一部の着色料の段階的廃止の提案を受けて、サウサンプトンの研究者らはメディアで着色料排除でADHDの1/3が減る、などと主張しており、FSAの科学者がそれは言いすぎであると否定したり、という混乱が続いている。保護者が自分のこどもを勝手にADHDと「診断」して自己流の「治療」をすることを懸念している。