食品安全情報blog過去記事

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太っていることより「太っていると思っている」ことの方が悪い

'Feeling fat' is worse than being it
20-Jun-2008
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-06/dai-fi062008.php
青少年の生活の質は太りすぎだと思っている場合の方が実際に肥満である場合より悪い。ロバートコッホ研究所によるドイツの子どもと青少年の健康調査
(KiGGS)の結果がDtsch Arztebl Int 2008, 105[23]: 406-12に発表された。(英語)
http://www.aerzteblatt.de/v4/archiv/pdf.asp?id=60382
この研究では11-17才の約7000人の少年少女の体重を測定し自分で「痩せすぎ」 から「太りすぎ」まで評価してもらい、生活の質についてのアンケートに答えてもらった。科学者の評価では約3/4は正常体重であった。少女の約55%と少年の36%弱は自分のことを「太りすぎ」だと感じていたが実際に肥満なのは約18%に過ぎない。7-8%は痩せすぎであった。
肥満の青少年の生活の質は低かったが、これは自己評価との関連が高い。太りすぎだと考えている青少年は実際にはそうでなくても生活の質が低い。特に女の子でそうである。一方自分は正常だと考えている場合は実際の体重に関わらず生活の質は正常体重群と同じであった。近年実際に体重が多い割合より自分が太っていると感じている青少年の割合が急速に増えている。
不正確なセルフイメージと摂食障害との関連は明白で、肥満対策と摂食障害対策が別々にではなく協調して行われなければならない。
エディトリアルではJohannes Hebebrandが青少年が痩せていなければならないという社会的プレッシャーに曝されていると指摘している。痩せの理想像と太っていることの恥辱にも関わらず40%が自分の体重をちょうどいいと考えていることは素晴らしいと彼は考える。