食品安全情報blog過去記事

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ニュージーランドのメラミン対応更新

New Zealand melamine response update
26 September 2008
http://www.nzfsa.govt.nz/publications/media-releases/2008/26-sep-melamine-response-update.htm
NZFSAは現在他の国際食品安全機関や健康当局と協力して、食品に検出されるメラミンの公衆衛生上のリスクとはならない量を決定している。
「中国でこの問題が明らかになって以降、世界中の食品安全機関がメラミンの公衆衛生上の閾値レベルを決定するために検討してきた。我々はこの物質の存在が、加工や包装の工程でプラスチックや食品と接触する物質からごく微量溶出する、今日の生活に本質的に避けられないものであることを知っている。さらに、少ない量では害はないことも知っている。リスクとなるのはどれくらいの量なのかを決定することにみんなで苦労している。」とNZFSAのGeoff Allen博士は述べている。
NZFSAはオーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、米国やその他の国と緊密に連絡をとってきている。
これまで、当局の科学者は国際共同研究者と情報を交換してきた。昨夜EFSAがメラミンの推定TDIについて意見を更新し、0.5 mg/kg体重(すなわち体重20kgの子どもなら10mgを、70kgの成人なら35 mgを毎日食べても安全である)を変更しないとした。
この、米国の数字に近いがそれより低い数値に基づき、NZFSAはほとんどの食品については保守的閾値として5 ppmを採択した。つまり、最大5 ppmまでのメラミンを含む食品はヒト健康にリスクとはならないと考えられるということである。但し乳児用ミルクについてはこの値は現在の検出限界である1 ppmに設定されるだろう。
これらのレベルを上回る量が検出された場合にはNZFSAはその食品のメラミン含量と食べる量を考慮してリスク評価を行う。もしその結果、その食品を食べると0.5 mg/kg体重のTDIを上まわると予想されたり、不純物混和の疑いがある場合には適切な規制措置を執るであろう。
NZFSAが国境で行っている対応は汚染中国産乳製品がニュージーランドに入らないことをさらに確保するであろう。火曜日から国境で税関がリスクのある貨物を同定する。リスクのある貨物は、ニュージーランドの規定による検査に通らなければ輸入されない。
ニュージーランドの国境対策はオーストラリアやヨーロッパと同じである。現在ニュージーランド市場で販売されている中国産乳製品を含むリスクのある食品についての検査も継続しており、現時点でさらなる懸念は見つかっていない。結果はウェブに公表し適切な対応を継続する。検査は概ね終了しており検査対象となった重要な製品については結果は大丈夫である。
もしさらなる懸念が確認されたら、NZFSAは最も適切な規制ツールを用いて消費者にリスクについて助言し製品を回収するであろう。
ニュージーランドの法では輸入業者や販売業者が食品の安全性確保に責任があり、消費者への情報伝達や問題のある製品の回収に責任があることを明確に規定している。NZFSAは公衆衛生保護のために法的責任を満たさない製品を拒否する力がある。我々は、この国際的問題に対してこれまで、ニュージーランドの輸入業者や小売業者が極めて協力的であることを嬉しく思う。
また初期調査の結果、地元産の食品でメラミンが検出されたのは、多くの製品に使用されている成分で高度加工乳製品であるラクトフェリンであることも公表する。
メラミンは食品サイクルの中で多くのものから微量検出される。この場合は加工や包装の際のプラスチックからの溶出や製造の際の意図しない結果であることが考えられる。このような微量では消費者にとって何ら健康リスクはない。
さらに最終製品になれば希釈されて検出限界以下になるであろう。実際我々はラクトフェリンを含む製品を既にいくつか検査したが検出されなかった。
NZFSAは他国の対応を監視し続け、我々の対応がニュージーランドの消費者の食品供給への信頼を守るだろうと信じる。