食品安全情報blog過去記事

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ナッツ恐怖ヒステリーが蔓延している

Fear of nuts creating hysteria of epidemic proportions
9-Dec-2008
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-12/bmj-fon120808.php
BMJのコラム
スクールバスの床にピーナッツが1個転がっていたら10才の子どもがそれを食べる可能性があるから避難して除染するし、ナッツやピーナッツバターや自家製料理や成分表示のない食品を全て禁止して「ナッツフリー」を宣言している学校もある。
ハーバード大学医学部のNicolas Christakis教授によれば、このような厳しい制限が有効で不便や費用に値するという根拠はない。
米国では毎年150人が食物アレルギーで死亡する。蜂に刺されて死亡するのは50人、雷に打たれて死ぬのが100人、自動車事故で死亡するのが45000人、スポーツにより脳障害を負うのが1万人であるがこれらの問題で例えばスポーツ禁止などの厳しい対応がとられることはない。この状況は集団ヒステリーのようである。
ナッツへの暴露を減らそうという厳しい規制は保護者の不安をさらに拡大し、さらなる過敏さと極端な対応を引き起こす。最近の研究ではピーナッツへの初期暴露はアレルギーリスクをむしろ減らすかもしれない。制御不能になる前に冷静な対応が必要である。