食品安全情報blog過去記事

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よくある化学物質と受胎能力

Behind the headlines
Common chemicals and fertility
29 Jan
2009http://www.nhs.uk/news/2009/01January/Pages/Chemicalsreducefertility.aspx
「食品の包装容器や農薬や家庭用品に含まれる化学物質が女性の受胎能力低下と関連するかもしれない」とThe Timesが報道した。新聞によれば1240人の女性を対象にした研究で、血中パーフルオロ化合物(PFC)の濃度が高いヒトは低いヒトに比べて妊娠するのに時間がかかる。
この研究は妊娠女性の血中PFC 2種類を測定し、彼女たちに妊娠するのにかかった時間を聞いたものである。この研究で血中濃度が高い女性で妊娠に要した時間が長いことがしめされたが、相関関係は因果関係を証明するものではない。
女性の血中濃度の測定は1回しか行われておらず、この化学物質が妊娠に要する時間を長くしたと結論することはできない。さらに、全ての女性が妊婦であり、不妊ではない。
女性が妊娠しにくい理由は多様であり、さらなる研究が必要で、PFCが不妊をひきおこすと決めつけるのはあまりにも時期尚早である。
妊娠するのに6ヶ月以上かかった女性のPFOSとPFOA濃度が6ヶ月未満で妊娠した女性より有意に高かった。他に高齢、ミドルクラス、流産や月経不順の経験がある女性で長かった。
男性側の要因は考慮していない。妊娠にかかった時間は自己申告。