食品安全情報blog過去記事

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現在強化義務化は必要ない−葉酸状態の増加は現時点での葉酸強化義務化を否定する

Currently No Need for Mandatory Fortification Increased Folate Status Negates Mandatory Folic Acid Fortification at This Time
11 March 2009
http://www.fsai.ie/news/press/pr_09/pr20090311.asp
葉酸強化履行グループが保健子ども省へ最終報告書を提出した。履行グループは、現時点では葉酸強化義務化による公衆衛生上の利益はないだろうとしている。この新しい助言は科学的根拠の評価と義務化政策の必要性を否定する各種要因によるものである。これらの要因の中には、生殖可能年齢の女性の葉酸摂取量が食品企業の任意の葉酸強化により3年前より30%増加したこと、2005年に比べて神経管欠損(NTDs)頻度が減ったこと、そして予備的で決定的ではないデータが過剰量の葉酸摂取には有害影響がある可能性を示唆したことなどである。
2005年に葉酸強化全国委員会(NCFAFF)が、アイルランド人の葉酸摂取量が少ないため市販の全てのパンに葉酸強化を義務づけるよう薦めた。その後環境が変化し、食品企業が任意で各種食品に葉酸を添加するようになりアイルランド人の葉酸摂取量は増加した。かつて葉酸は朝食シリアルなどにのみ添加されていたが今やスプレッドやフルーツジュース、ミルク、ヨーグルト、スープ、等幅広い食品に添加するようになっている。これらには効果があり、NTDの頻度が1000人あたり1-1.5から0.93まで低下した。これは葉酸添加により達成できる最低レベルに近く、これ以上強化してもさらなる保護は得られないので葉酸強化義務化は現時点では必要ない。
報告書は以下から
葉酸強化食品履行グループから保健子ども省への報告書
Report of the Implementation Group on Folic Acid Food Fortification to the Department of Health and Children
http://www.fsai.ie/publications/reports/folic_acid_implementation.pdf