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動物栄養のための色素の使用の安全性:第III部 β-アポ-8’-カロテナール、β-アポ-8’-カロテン酸のエチルエステル、ルテイン、ゼアキサンチン及び結びの言葉

Safety of use of colouring agents in animal nutrition - Part III: β-apo-8’-carotenal, ethyl ester of β-apo-8’-carotenoic acid, lutein, zeaxanthin and concluding remarks
25 May 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902540118.htm
・β-アポ-8’-カロテナール(トランス- -アポ-8’-カロテンアルデヒド、 CI食用オレンジ6)
極めて微量ではあるが自然界によく見られる
卵黄着色のために効果のある飼料中濃度は40 mg/kg最終飼料であるが、カンタキサンチンなどの他の赤色色素を追加で用いる場合には10 mg/kgで同様の効果がある。皮膚の色素沈着に関するデータはない。家禽での代謝についてのデータは限られる。標的動物での安全性のデータはないが天然に存在することを考えると動物飼料として使うことに懸念する理由はない。
もし10 mg/kgで飼料に使うとすると、最悪シナリオで27gの卵黄を含む卵100gを毎日食べた場合の1日摂取量は60kgの成人で0.010mg/kg体重/日となる。これは0.5Lのオレンジソフトドリンクを飲んだ場合の摂取量0.053 mg/kg体重/日と比較できる。従って安全上の懸念はないと考える。
・β-アポ-8’-カロテン酸のエチルエステル(CI食用オレンジ7)
卵黄着色のためには、赤い色素と一緒に、4-10 mg必要である。皮膚の着色には少なくとも単独で30 mg又は赤い色素と一緒に15mg必要である。ヒト暴露量は、 最悪シナリオで40 mg/kg飼料を用いたニワトリの卵と皮を食べることによる0.08 mg/kg体重となる。
ルテインとゼアキサンチン
両者は共存することが多く、総キサントフィルとして計算されることが多い。 トウモロコシの多い飼料は約10mgのルテインと5mgのゼアキサンチンを含む。強化飼料ではそれぞれ20-30 mg/kg、8-12 mg/kgとなる。その結果卵黄中濃度はルテインが13-25 mg/kg、ゼアキサンチンが8-10 mg/kgとなる。ヒトの総摂取量に比べて卵や家禽製品からの摂取量の寄与は少ない。
一般的結論と助言
FEEDAPパネルは各カロテノイド/キサントフィルの規格の導入と既存の規格の適正化を薦める。
またカロテノイド/キサントフィル色素のリストからβカロテンを除外し、カロテノイド/キサントフィルに個別の最大含量設定を薦める。