食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールAと食品包装

Bisphenol A (BPA) and food packaging
May 2009
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2009/bisphenolabpaandfood4218.cfm
3月のファクトシート(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090311#p31)に一部追加
追加部分は
2009年5月12日にハーバードの研究グループがEHPにポリカーボネートボトルの使用と尿中ビスフェノールA濃度についての論文を発表した。この研究の目的はヒトにおけるポリカーボネート飲料ボトルの使用と尿中ビスフェノールA濃度との関連を調べるものであった。この研究では77人の大学生の尿中ビスフェノールA濃度が、ポリカーボネートボトルから飲料を飲んだ場合に増加したと結論している。バックグラウンド濃度は1週間ポリカーボネート容器から飲むことを避けることで減らしてある(ウオッシュアウト期間)。
FSANZはこの研究についてレビューし、これはポリカーボーネート飲料ボトルに由来するであろうBPAが不活性化されて尿中に排泄されることを確認しただけであることがわかった。BPAはヒトではラットとは異なる代謝経路をもつ。BPAは肝臓で効率よく不活性化されて尿中に排泄される。この研究はそのような濃度のBPAがヒト健康リスクとなることを示してはいない。