食品安全情報blog過去記事

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グレープフルーツ錠剤で痩せるという薄っぺらな根拠

Behind the headlines
Slim evidence for grapefruit pill
Thursday July 16 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/07July/Pages/Slimevidenceforgrapefruitpill.aspx
The Daily Telegraphが「グレープフルーツ成分でやせ薬ができる」と報道した。新聞によればグレープフルーツの苦味成分であるナリンゲニンがやせ薬になる。
この報道は食後にこの化合物を与えたマウスの肝臓で脂肪が燃えたという実験に基づくものである。この実験はマウスでのもので、人間に当てはめるには限界がある。さらにマウスに与えた量は極めて大量で、その量をグレープフルーツから摂ることはできない。このような化合物をベースにした医薬品の開発は可能かもしれないが、それには人間での有効性と安全性を示す必要があり、何年もかかるだろう。