食品安全情報blog過去記事

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コレステロールとがん:答えと新しい疑問

Cholesterol and cancer: Answers and some new questions
3-Nov-2009
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-11/aafc-cac102709.php
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionに発表された一組の研究が、長く抱かれてきた総コレステロール濃度を下げるとがんリスクが増加するの可能性についての懸念を解消する。実際にはコレステロールを下げると悪性度の高い前立腺がんリスクが下がる可能性がある。
ATBC研究コホート29093人を18年間フォローした研究。この間に7545例のがんが見られた。先の研究同様、低血中コレステロールは全てのがんについて18%高いリスクと関連したが、このリスクは採血後間もなく発症した事例を除外すると消失した。この知見はコレステロール濃度が低いことががんを誘発するのではなく、がんがあるとコレステロールが低くなることを示唆する。また特に悪性度の高い前立腺がんについて調べた場合には、200mg/dL以下の総コレステロール濃度の場合、悪性度の高い前立腺がんリスクは低下した。前立腺がん全体については関連はない。
ただし悪性度の高い前立腺がんリスクを下げるためにスタチンを摂るのは薦めない。