食品安全情報blog過去記事

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食品中残留農薬の安全性に関する専門家の見解

Science Media Center
Experts on safety of pesticide residue in foods
December 15th, 2009
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2009/12/15/experts-on-safety-of-pesticide-residue-in-foods/
安全な食品の活動家Alison Whiteが残留農薬を含むよく食べられている食品のリストを作成して「我々の食品に含まれる農薬には各種の重大な長期影響がある」と主張している。
このリストは最も残留農薬が検出される可能性の高い食品としてセロリを挙げ、NZFSAのデータをもとに、検査した検体の中で残留農薬が検出された割合から作ったものである。
SMCは残留農薬と毒性学の専門家に意見を求めた。

Canterbury大学毒性学教授Ian Shaw
問題になるのは特定の作物の残留農薬検出率ではなく、検出された農薬の濃度である。分析技術が進歩するに従い検出割合が増えるのは当然である。消費者へのリスクを評価するにはADIと摂取量との比較が必要である。
またこの発表の根拠となる引用の仕方は品がない。クロロタロニルやディルドリンの発がんリスク増加との関連を示す文献は散布を職業にしている人たちについてのもので暴露量が違う。この人はハザードとリスクの違いを理解していない。

NZFSAの毒性学者John Reeve博士
食品中には少なくとも50万の天然化学物質が存在し、その中には天然の農薬もある。出たがあるのはほんの一部である。農薬として使用されている化合物は約500でそれらはたくさんのデータがあり、目的に従って使えば安全であることが国際的に認められている。
人々や野菜や果物について心配することがあるとすれば、充分摂っているかどうかである。

Pipfruit New Zealand(業界団体)の最高責任者Peter Beaven
ヨーロッパのスーパーマーケットからの要求で、リンゴとナシについて今年から3年計画で現在認められているMRLの30%に残留農薬を下げるための生産システムが始まった。
2009年の残留農薬検査ではほとんどが検出限界程度で、最も高い濃度のものでもヨーロッパのMRLの13%でしかなかった。