食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールA:AFSSAは新しい評価方法の開発を薦める

Bisphenol A: AFSSA recommends the development of new assessment methods
5 February 2010
http://www.afssa.fr/PM9100B6I0.htm
ビスフェノールAは40年以上飲食品と接触する物質も含めたいろいろなものに使われてきた。健康や安全性担当機関による現在入手できる科学的データに基づくリスク評価では、現在の使用条件で消費者へのリスクはないと結論している。
最近の新しい研究から、AFSSAは2009年10月にこの問題についての詳細な検討を行った。この専門家の評価では、実験の方法からデータの公式解釈は不可能であると結論した。
子宮内暴露によるラットの子どもの行動への影響のようなある種の微細な影響のヒト健康への意味を確認するため、および消費者や当局に適切な対応を摂れるよう助言するために、AFSSAは以下のことを薦める。
・フランスの母乳や乳児用ミルクなどのビスフェノールA濃度についてのデータを集める。食品と接触する物質以外からの暴露源も調査する
・代用品や内分泌攪乱物質一般のごく微量でのヒト毒性影響検出に適した方法を開発する。
消費者には水やミルクなどの液状食品をポリカーボネート容器に入れて使う場合は高温にしすぎないようにするという簡単な方法で暴露を減らすことができることを再確認する
1月29日の意見
OPINION of the French Food Safety Agency on the critical analysis of the results of a study of the toxicity of bisphenol A on the development of the nervous system together with other recently-published data on its toxic effects
http://www.afssa.fr/Documents/MCDA2009sa0270EN.pdf
国際標準に従った毒性試験では現在の消費者への暴露量でヒト健康上のリスクとなるという知見はない。しかしながら、なんら公式な結論は出せない方法で行われた試験で、子宮内暴露またはTDI以下の暴露で、警告信号が報告されている。そのような警告信号がヒト健康にどのような意味があるかはわからないものの、もしそれがビスフェノールAエストロゲン様作用によるのであれば、他の天然由来または人工のエストロゲン様作用を持つ化合物に晒されているヒトでの影響のメカニズムを理解する必要がある。