食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

The Twelve Most Dangerous Supplements
http://www.bellybytes.com/articles/12badsupplements.shtml
コンシューマーリポートが2010年9月号で危険性が高く販売に適さないと考える12のサプリメントを指摘した。他の国では禁止しているものもあるのにDSHEA法ではFDAが有害サプリメントの販売を禁止するのがあまりにも難しい。医薬品は販売前に安全であることを製造業者が証明しなければならないのに、DSHEA法ではFDAが販売されているサプリメントが危険であることを証明しなければならない。DSHEA法が改正されない限り消費者は自分で対応しなければならない。
12のサプリメントはこれまで何度もFDAなどから警告が出されているもの。アリストロキア酸、コンフリー、アンドロステンジオン、チャパラル、ジャーマンダー、カバ、ビターオレンジ、臓器抽出物、ロベリア、ペニーロイヤル、スカルキャップ、ヨヒンベ。
他にコンシューマーレポートからの助言があるが、結局はサプリメントは一部の例外を除き使わないのが一番いいという話。

  • Lancetのエディトリアル

自宅出産に注意
Home birth—proceed with caution
The Lancet, Volume 376, Issue 9738, Page 303, 31 July 2010
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2961165-8/fulltext?elsca1=TL-300710&elsca2=email&elsca3=segment
病院以外で産みたいという要求が増加し自宅出産が増えている。オランダでは1/3の女性が自宅出産で、英国では3%、米国では1%である。
米国では自宅出産が増加している理由の一つは帝王切開が増加していることである(現在約1/3が帝王切開)。これは米国の医師や病院が訴訟を避けるために経膣分娩をしたがらないためである。一方で米国産婦人科学会(ACOG)は帝王切開ガイドラインを発表し女性の意志を尊重するよう強調している。
リスクの低い母親にとって自宅出産は安全なように見えるが、自宅出産では問題があると病院出産になるなどデータの解釈には注意が必要である。オランダのデータは自宅で陣痛が始まった初産婦の最大40%が病院に移送されていることを示唆している。
専門機関の声明も矛盾がある。南オーストラリア保健省や英国王立助産士協会などは低リスク妊婦の自宅出産を支援しているがACOGは安全上の懸念と科学的根拠の無さから自宅出産を薦めていない。ACOGは自宅出産は健康な赤ちゃんを産むという目的より産むプロセスへの嗜好を示すということを意味すると言っている。
最新のメタ解析では自宅出産は病院出産より新生児にとって有害であるということを示した。自宅出産の主なリスク要因は助産士の技量不足と病院へのアクセスの欠如である。
女性には産む場所や方法を選ぶ権利はあるが赤ちゃんをリスクに曝す権利はない。
今年後半にはさらに意味のある研究結果が出るだろう。
(自宅出産を選ぶ人って予防接種否定とかオーガニック食品支持とかと重なる。順序としては食品添加物残留農薬のような食品への疑問→予防接種のような通常医療への疑問→自宅出産を含む謎の自然派生活、のような。数はだんだん減るけれど入り口がやたら広いのが問題。)

  • 第23回 日本臨床整形外科学会学術集会 (7月18日〜19日)

m3.com
整形外科と柔道整復師、外傷巡るトラブルが10年間で約2倍

日本臨床整形外科学会会員が柔道整復師の施術実態を報告
整骨院で打撲として施術されていた患者が骨肉腫だった例、打撲がアキレス腱断裂だった例、関節リウマチが整骨院で施術されていた例

(英国のホメオパシー関連情報をいくつか拾ってきたけれど、日本でも同じことが柔道整復師、あんま・マッサージ、鍼灸、整体という分野でおこっている。漢方も。標準医療は必要以上に批判するメディアは「補完・代替・伝統」には極端に甘い。)

  • ヨーロッパはウナギの保護に乗り出す

Science 30 July 2010:
Vol. 329. no. 5991, pp. 505 - 507
Ecology: Europe Tries to Save Its Eels
ヨーロッパウナギの減少と回復のための研究や対策についての解説記事。
(写真:うな重や燻製ウナギはいいんだけどウナギゼリーって美味しいの?)

  • 無料公開記事(参考訳)

Nature Climate Change
信頼度の低下?
Nature 466, 24 (01 July 2010) doi:10.1038/466024a
http://www.natureasia.com/japan/nclimate/article/003.php
科学と世論と政治。

IPCCの体質改善
http://www.natureasia.com/japan/nclimate/article/001.php
IPCCは、一見信憑性のある批判にさらされるという状況に対して、準備ができていませんでした。この点で、IPCCの組織は非常に未熟なのです」
灰色文献は環境活動家や非政府組織の報告書くらいだと思われがちだ。実際には、各国の科学アカデミーや国際エネルギー機関の報告書も含まれている」
(環境活動家の報告書の信頼性が低いことはもう当然とみなされていることに注目。彼らの言い分を報道することに意味はないということにメディアが気がつくのは何時になるのか。)