食品安全情報blog過去記事

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ジャンクフードでアレルギーになるか? Telegraphと Daily Mailの2010年8月の記事

Sense about Science
Last updated: August 20 2010
Does eating junk food lead to allergies? The Telegraph, The Daily Mail, August 2010
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/523
最近の記事二つがジャンクフードとアレルギーを関連づけるものだった。Daily Mailの記事のタイトルは「ジャンクフードがアレルギーの引き金を引く」で研究者が「赤身肉と砂糖と脂肪の多い洋風の食事が腸内の善玉菌の数を減らす。善玉菌が免疫系の事前刺激をしないと子どもたちはアレルギーになりやすくなる」ことを発見したと言っている。引用した研究はヨーロッパの子どもとブルキナファソの村に住む子どもの糞便中細菌を比較したもので、この論文のプレスリリースで「工業化した食生活がアレルギーに寄与している可能性がある」と述べている。ここに2人の栄養士がこのような研究でジャンクフードがアレルギーの原因であるとは言えない理由を説明する。
Judy More
この研究はアフリカの地方とヨーロッパの子どもたちの便中細菌を比較したもので、食事の違いにより糞便中細菌が違うことは知られていて結果は驚くべきものではない。しかしそれはアレルギーとの関係を意味するものではない。この研究の子どもたちは皆健康でジャンクフードがアレルギーの原因であるという結論はこの論文からは導かれない。
Catherine Collins
我々のお腹の中には数百という細菌がいて半分以上は未知のものであり真の機能はわからない。細菌が腸管免疫に影響することや一部の細菌が役に立つように、一部は悪さをするように見えることはわかっているが食べ物でどの細菌の種類がどう変わるかについては結論を出すにはまだ研究が必要である。