食品安全情報blog過去記事

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EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

Moms who don't breastfeed more likely to develop type 2 diabetes
27-Aug-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-08/uops-mwd082510.php
American Journal of Medicineの9月号に発表された論文。40-78才の2233人を対象にし、そのうち乳児に最低1ヶ月授乳していたのは56%だった。授乳していない母親の27%が糖尿病を発症していてその発症率は子どもを生んだことのない女性と授乳した女性の約2倍だった。
http://www.upmc.com/MediaRelations/NewsReleases/2010/Documents/lactaction_diabetes.pdf
(平均年齢50代で全体の現在のBMIの平均が29台であることと、母乳を与える率の低さと糖尿病罹患率の高さにあらためて驚く。)

Daan Kromhout et al.,
10.1056/NEJMoa1003603
n–3 Fatty Acids and Cardiovascular Events after Myocardial Infarction
背景:心疾患患者にn-3脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHAサプリメントを与えると心疾患による死亡率が約20%減るというメタ解析が報告されていた。その結果からMozaffarian とRimmは毎日250 mgのEPADHAで致死的冠動脈心疾患が36%減るだろうと予想していた。これ以上とっても利益があるという根拠はなく、植物由来n-3脂肪酸であるαリノレン酸(ALA)には保護作用があるという根拠はない。
今回の試験は心筋梗塞履歴のある60-80才の4837人(78%男性)を無作為に1日400mgEPA-DHA、2gALA、EPA-DHAとALA両方、プラセボに割り付けて40ヶ月、心血管系イベント発症率を調べた。患者は他の治療は行われている。オランダ。
結果としては全ての群で全く差がなかった。
先の報告との差は、男女比や患者の年齢構成、心筋梗塞後の時間、薬物療法の進歩などが考えられる。
(ちなみにここで引用されているオメガ3脂肪酸の心疾患予防影響を大きく見積もっているMozaffarianがトランス脂肪による悪影響も大きく見積もっている人。)

Analytical and Bioanalytical Chemistry
Volume 398, Number 1, 571-576, DOI: 10.1007/s00216-010-3936-9
Sandra Biedermann, Patrik Tschudin and Koni Grob
Transfer of bisphenol A from thermal printer paper to the skin
(カナダでメディアが取り上げている)