食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

Complementary medicines can be dangerous for children
22-Dec-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-12/bmj-cmc122210.php
子どもの補完代替医療使用による有害事象
Adverse events associated with the use of complementary and alternative medicine in children
Alissa Lim et al.
Arch Dis Child doi:10.1136/adc.2010.183152
http://adc.bmj.com/content/early/2010/11/24/adc.2010.183152.short?q=w_adc_ahead_tab
2001年1月から2003年12月まで、オーストラリア小児科サーベイランスユニットに報告されたCAM関連有害事象を毎月アクティブサーベイランスした。
この間CAMによる有害事象報告は39件で死亡が4件だった。特にリスクが大きいのは通常医療の拒否、CAMプラクティショナーの支持による投薬の変更、食餌制限である。死亡例はCAMを選んで通常医療をしなかったためであった。
結論
CAMは有意な病気と致死的有害事象をひきおこす可能性がある。CAM療法とその有害事象の多様性からこの分野への対策は難しい。
ニュースで大きく取り上げられている
例えば
Complementary medicines bad for kids
Dec 23, 2010
http://timesofindia.indiatimes.com/life-style/relationships/parenting/Complementary-medicines-bad-for-kids/articleshow/7151525.cms
このニュースでは死亡例として、生後3ヶ月で便秘のためにナチュロパシー療法としてライスミルク食事療法により敗血性ショックと栄養不良で8ヶ月齢で亡くなったこども、湿疹を食餌制限とホメオパシーで治療していて10ヶ月齢で亡くなった子ども、を紹介している。
Daily Mail
Complementary medicine 'can be lethal for children'
http://www.dailymail.co.uk/health/article-1340985/Complementary-medicine-lethal-children.html?ito=feeds-newsxml
写真はホメオパシーレメディ

AADR testifies to the FDA advisory panel on dental amalgam
22-Dec-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-12/iaa-att122210.php
12月14日、米国歯科医師会の代表としてMary Tavares博士がFDAの助言委員会で証言した。内容は以下。
http://www.iadr.org/files/public/2010DentalAmalgamComments.pdf

  • 新しい研究「非成長ホルモン」が寿命を延ばすかも

New research: 'Un-growth hormone' increases longevity
22-Dec-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-12/slu-nr122210.php
PNASに12月6日オンライン発表された研究によれば、成長ホルモン放出ホルモンアンタゴニストMZ-5-156がSAMP8マウスモデルで寿命を延ばすなど良い影響を示した。
このことは一部の人々が若返りを期待して使っている成長ホルモンが有害かもしれないということを意味する。

  • アメリカの脳卒中ベルトに健康的でない魚を食べることが寄与しているかもしれない

Eating less healthy fish may contribute to America's stroke belt
22-Dec-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-12/aaon-elh121410.php
2010年12月22日にNeurologyにオンライン発表された論文によれば、脳卒中での死亡率が高い「脳卒中ベルト」地域の人達は他の地域の人達よりフライにした魚をよく食べる。魚のオメガ3脂肪酸脳卒中リスクを下げるかもしれないとされているが、揚げると減る。
REGARDS研究の一環。
Racial and geographic differences in fish consumption
The REGARDS Study
http://www.neurology.org/content/early/2010/12/22/WNL.0b013e3182061afb.1.abstract

  • あなたは父親の食べたものでできている

You are what your father ate
23-Dec-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-12/uomm-yaw122110.php
父親の食生活が子どもの脂質代謝遺伝子に影響
Cellに発表されたマウスでの実験。
雄のマウスに通常の餌と低タンパク質餌を与え、雌は全て標準飼料で飼育した。低タンパク質食の父親の子どもは対照群に比べて脂質とコレステロール合成に関与する遺伝子の(発現が)増加していた。この知見は父方の祖父が若い頃に貧しい食生活だった場合第二世代の子孫の糖尿病・肥満・心血管系疾患リスクが高いというスウェーデンの疫学研究の知見と一致する。
Cell, Volume 143, Issue 7, 1084-1096, 23 December 2010
Paternally Induced Transgenerational Environmental Reprogramming of Metabolic Gene Expression in Mammals
http://www.cell.com/abstract/S0092-8674(10)01426-1