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腰痛へのCAMについての年次エビデンス更新: 13-17 December 2010

Annual Evidence Update on CAM for Lower Back Pain: 13-17 December 2010
10 Dec 2010
http://www.library.nhs.uk/CAM/ViewResource.aspx?resID=396560&tabID=289
2009年9月から2010年9月までに発表された文献を検索した。これ以前の文献は2009 Annual Evidence Update on CAM for Low Back Pain に含まれている。
重要なものとしてAHRQのエビデンスレポートがある。
Complementary and Alternative Therapies for Back Pain II
October 2010
http://www.ahrq.gov/downloads/pub/evidence/pdf/backpaincam/backcam2.pdf
構造抄録の結論部分
265のRCTと5つの非RCTを解析した。慢性非特異性腰痛に鍼治療はプラセボより痛みの強度の有意の低下に関連したが、施術直後に限られる (VAS: -0.59, 95 percent CI: -0.93, -0.25)。しかしながら鍼は治療後の身体機能障害や医薬品摂取、腰痛の全体的改善においてはプラセボと差がなかった。鍼は治療直後の非特異性頸部疼痛削減においてニセ鍼と差がなかった(VAS: 0.24, 95 percent CI: -1.20, 0.73)。鍼は治療直後の痛みの強度(VAS: -1.19, 95 percent CI: 95 percent CI: -2.17, -0.21)、身体機能障害、生活の質、動きにおいて無処置より優れていた。一般的に、ニセ鍼を用いた試験では他の対照を用いた試験より無効であるという結果が多い。医薬品の投与やレーザー治療などの他の治療法との比較では鍼の有効性についてはより一貫しない結果になっている。
腰痛にも頸部疼痛にもマニピュレーションは施術直後または治療終了後短期の痛みの削減に置いては無処置またはプラセボより優れている。
モビリゼーションやマッサージもも同様。
結論としては全体的に根拠は貧弱または弱く、多くのCAMは施術直後の効果はあるが時間とともに消失する。長期影響を報告した研究はほとんどない。方法論と臨床像の多様性から試験結果は一貫せず、方法と報告の質の確保への努力が必要である。