食品安全情報blog過去記事

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米国人の寿命の短さは過去の喫煙が主因

Past Smoking a Major Culprit in Shorter U.S. Lifespans
January 25, 2011
http://www.nationalacademies.org/morenews/20110125.html
アメリカ人の平均寿命が他の高所得国より短いのは過去の大量喫煙が主な原因で、現在の肥満レベルも大きく関与する。
NRCの新しい報告書
プレスリリース
Past Smoking Rates Are a Major Reason For Shorter Lifespans in U.S. Compared to Other High-Income Countries; Obesity Also Appears to be Significant Factor
Jan. 25, 2011
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=01252011
過去25年間に米国の50才の人の平均余命は伸びてはいるものの日本やオーストラリアなどのような他の高所得国よりはペースが遅い。米国の医療費が他の国より高いことを考えると特に違いは顕著である。そこでNRCはその原因について検討するよう依頼された。
3-50年前の米国の喫煙率はヨーロッパや日本より高く、その結果が現在も死亡率に影響している。特に女性の寿命に喫煙の差が現れる。喫煙による寿命短縮はデンマークやオランダでも観察できる。喫煙の影響が最も大きく出るのは20-30年後であるため今後の米国の寿命は喫煙率の低下により延びると予想される。日本は最近の喫煙率が高いので寿命が長くなる速度は遅いだろう。
肥満もまた米国の寿命延長の足かせになっている。肥満と死亡率については影響の大きさに不確実性があり最近のデータでは米国の肥満率は横ばいで肥満による死亡リスクが低下していることが示唆されている。
また医療へのアクセスが悪いことが死亡率の増加と寿命の短縮に関与している。
報告書本文
Explaining Divergent Levels of Longevity in High-Income Countries
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=13089
(タバコ対策より肥満対策を優先している日本は愚かだと思われているだろう)