食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

Around 40 percent of hake is mislabeled
11-Mar-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-03/f-sf-a4o031111.php
Journal of Agricultural and Food Chemistryに発表された論文によると、スペインとギリシャでのDNA検査により、2004-2006年にスーパーマーケットなどで販売されていた93の生鮮及び冷凍製品のうち31.5%が違う名前や産地で表示されていた。2010年にさらに18バッチを調べたところ38.9%の表示が違っていた。
理由は市場が良くわかっていない可能性もあるが、常に安価なものが高価なものに間違われていて(アフリカ産は安価でヨーロッパ産は安い)その逆はないことは不思議であり、詐欺の可能性を示唆している。産地によって品質に違いはないが消費者には真実を知る権利がある。
Journal of Agricultural and Food Chemistry 59(2): 475-80, January 2011
(品質に違いはないのに値段が違うから詐欺の温床になるのだけれど)

  • スペインの教科書の健康メッセージの約25%は科学的根拠に基づいていない

Around 25 percent of health messages in Spanish text books are not based on scientific evidence
24-Mar-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-03/f-sf-a2o032411.php
BMC Public Healthに発表された論文。小中学校の教科書にある844の健康に関するメッセージについて、科学的根拠の程度について分類した。61%が根拠のレベル不明(子どもが調理をするときには大人と一緒に、といったようなもの)、15%が科学的根拠有りと分類された。一方24.6%は根拠不明だった(例えば鼻でなく口で呼吸すると風邪をひきやすい、食べてすぐ泳ぐと消化器系に影響して泳いでいる時に失神する、など)。
項目別では口の健康に関するものが一番根拠のあるものが多かった(37.5%)。

  • 痛みの治療に鍼はプラセボと同等で害がないわけではない

Acupuncture for pain no better than placebo and not without harm
23-Mar-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-03/ehs-afp032311.php
エルンスト教授の韓国との共同研究。
E. Ernst et al.,
Acupuncture: Does it alleviate pain and are there serious risks? A review of reviews
DOI: 10.1016/j.pain.2010.11.004
Harriet Hall
Acupuncture's claims punctured: Not proven effective for pain, not harmless
DOI: 10.1016/j.pain.2011.01.039

  • 鍼はニセ鍼と同様に効果的

Acupuncture is equally effective with simulated needles
24-Mar-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-03/ki-aie032411.php
Getting the Grip on Nonspecific Treatment Effects: Emesis in Patients Randomized to Acupuncture or Sham Compared to Patients Receiving Standard Care
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0014766

  • 2つの米国コホートにおける水銀暴露と心血管系疾患リスク

Mercury Exposure and Risk of Cardiovascular Disease in Two U.S. Cohorts
Dariush Mozaffarian et al.,
N Engl J Med 2011; 364:1116-1125
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1006876
足のツメが保存されている米国コホート合計男性51,529人、女性121,700人のデータを解析した。心血管系疾患3427人と対照の爪の水銀とセレン濃度を測定し、魚を食べることなどの生活習慣も解析に用いた。爪の水銀濃度が高いことと心血管系疾患リスクの高さは関係なかった。