食品安全情報blog過去記事

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乳がんの1/5はアルコールと関連する

オーストラリアがん評議会
Cancer Council Australia
One in five breast cancers linked to alcohol
1 May 2011
http://www.cancer.org.au/Newsmedia/mediareleases/mediareleases2011/1May2011.htm
Medical Journal of Australiaに発表された新しい解析によれば、オーストラリアのアルコールによるがんはこれまで考えられていたより多く、毎年5000例以上の新たながんは長期飲酒に関連する。
Position Statement
http://www.cancer.org.au/File/PolicyPublications/Position_statements/CCA_Alcohol_and_cancer_position_statement_final_May11.pdf
飲酒は口、咽頭喉頭、食道、男性の大腸がん、女性の乳がんの原因であるという信頼できる根拠があり、女性の大腸がんと肝がんについては飲酒が関連する可能性が高い。また大量飲酒は前立腺がんリスクの高さと関連する可能性がある。
オーストラリアでは全てのがんの5%から5.6%が慢性飲酒によると推定される。
さらに喫煙によりリスクはあがる。例えば口や喉のがんは飲酒も喫煙もしない人に比べて喫煙者で7倍、飲酒で6倍になるが、飲酒と喫煙の組み合わせで35倍以上になる。
飲酒及びエタノールはヒト発がん性があり、がんにならないための安全な閾値があるという根拠はない。がん評議会は飲酒を制限すること、できれば全く飲まないことを薦める。飲むことを選択するのであればガイドラインに示す範囲内で飲むべきである。
ガイドライン要約
1. 生涯にわたるリスクを削減する
生涯発がんリスクは飲んだ量が増えると増える。健康なヒトは1日に2杯(アルコールで1杯10g)以上は飲まない
2. 一回の飲酒でのリスクを削減する
1度に飲む量は4杯以下にする
3. 子どもや若者
18才以下は飲まない
4. 妊娠及び授乳
妊娠、妊娠を予定している、授乳中は飲まないのが最良の選択肢である
(遺伝毒性発がん物質なので基本的には放射線と同じ扱い。もちろん天然に発酵食品に含まれる。)