食品安全情報blog過去記事

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「2030年までに英国人の半分が肥満に」

Behind the Headlines
'Half of UK obese by 2030'
Friday August 26 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/08August/Pages/half-of-uk-predicted-to-be-obese-by-2030.aspx
多くの新聞がこのままいけば2030年には英国人男性の半分が肥満になると報道した。Guardianは「肥満の流行に逆らうには世界中の政府がただちに劇的な政策変更をする必要がある」という。Independentは2030年までに英国の肥満人口は2600万人になり、現在の1500万人から73%増加すると報道した。Daily Mailは女性も同様で、それまでに「10人中4人が同様に体重超過となる」と報道した。
これらのニュースはLancetの特集号にもとづく。予想値はこれらの研究のうちのひとつによるもので、過去20年以上世界で最も高い肥満率である英国と米国のデータを調べた。研究者によれば、現在の傾向がそのまま続くと、英国では2030年までに最大男性の48%、女性の43%が肥満になり、肥満関連疾患の医療費は年に19-20億ポンド追加になる。
この手のモデル研究は政府や医療サービスに必要な対応を決定するため、警告する意味がある。著者が指摘しているように、この予想は単なる外挿であり、過去の傾向がそのまま将来も続くとは限らないため不確実性がある。そのような限界はあるものの、この研究を含めたLancetの特集は肥満の医療や経済への影響を明らかにしている。集団レベルでの予防対策が重要な公衆衛生の課題であることは明確である。