食品安全情報blog過去記事

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論文など

  • 大学での興奮剤濫用に対応すべき時

Time to address stimulant abuse on our campuses
Daniel Rosenfield et al.,
CMAJ September 6, 2011 vol. 183 no. 12
http://www.cmaj.ca/content/183/12/1345
大学は違法刺激物質使用の危険性から若者を守り教育すべく対応を強化すべきである。メチルフェニデートやアトモキセチンなどの処方薬の濫用が5-35%と警戒すべき率に上っている。学生達はこれらの薬物で注意力や集中力が増して成績が上がると思っている。しかしそのような事実はない。むしろ健康なヒトにこれらの薬物はプラセボ以上の認知機能の改善を示さないという根拠の方が優性である。薬を飲むだけで賢くなるなど間違いである。さらに悪いことには学生達はこれらの薬物の副作用をよく知らない。
(大学生が成績を上げようと一生懸命なところだけは賞賛すべきなんだろうか。日本では流行しそうにないかも)

  • 飲酒と喫煙の上部気道消化器がんへの役割

Role of alcohol intake and smoking on upper aerodigestive cancers
6-Sep-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-09/bumc-roa090611.php
上部気道消化器がんの最も重要なリスク因子は喫煙で、さらに1日2杯以上の飲酒によりリスクは増強される。アルコール単独ではリスクへの影響は小さい(1%未満)。
ヨーロッパの総上部気道消化器がんのうち73%がタバコと飲酒によるもので、タバコだけでは28.7%、タバコと飲酒で43.9%、飲酒のみでは0.4%の寄与率になる。ただし女性についてはこれらのがんは喫煙プラス飲酒より喫煙者の方がリスクが高い。
Anantharaman D, et al.
Population attributable risk of tobacco and alcohol for upper aerodigestive tract cancer. Oral Oncology 2011;47:725-731.