食品安全情報blog過去記事

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1980年から2010年の187か国の乳がんと子宮頸がん:系統解析

Breast and cervical cancer in 187 countries between 1980 and 2010: a systematic analysis
Mohammad H Forouzanfar et al.,
The Lancet, Volume 378, Issue 9801, Pages 1461 - 1484, 22 October 2011
乳がんは1980年は641,000 (95% uncertainty intervals 610,000—750,000)、2010年は1,643,000 (1,421,000—1,782,000)と年3.1%の率で増加。子宮頸がんは1980年の378,000 (256,000—489,000)/年から454,000 (318,000—620,000)に年0.6%の率で増加。
2010年の乳がんによる死亡は425,000 (359,000—453,000)で、そのうち68,000 (62,000—74,000)が途上国の15-49才の女性である。子宮頸がんによる死亡は減少しているがそれでも2010年は200,000 (139,000—276,000)で、そのうち46,000 (33,000—64,000) が途上国の15-49才の女性である。

コメント
What global protection against women's cancers?
Jan W Coebergh
Pages 1442-1444
がん登録が未整備なためデータの不正確な国がある。近年は子宮頸がんは特に先進国で減少傾向。乳がんは全ての地域で増加しているがそのわりに死亡数はそれほど増加していない。乳がんリスクは子どもを産む数が減ったことと最初の子どもを生む年齢が上昇しているため先進国で増加している。

日本はどちらのがんも現在は世界的には少ない方。
15-79才の乳がん確率が1980年で2•6 (2•3–4•2)%だったのが2010年は4•3 (3•3–4•8)
同時期に西ヨーロッパが7•8 (7•5–10•0)%から9•7 (7•9–10•6)%、米国10•6 (9•7–12•2) %から12•5 (10•7–15•2)%(欧米は2000年より減っている)。
子宮頸がんでは日本は1980年で2•0 (1•1–2•5) だったのが2010年は0•7 (0•5–0•9)
同時期に西ヨーロッパが1•8 (1•1–2•2)%から0•8 (0•6–1•2)%、米国1•3 (0•9–1•9) %から0•9 (0•6–1•2)%。