食品安全情報blog過去記事

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炭酸飲料は十代を暴力的にするか?

Behind the Headlines
Do fizzy drinks make teens violent?
Tuesday October 25 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/10October/Pages/fizzy-drinks-teenage-violence.aspx
Daily Mirrorが「週に5缶以上炭酸飲料を飲む十代は暴力的または武器を所有する可能性が高い」と報道した。研究者が「炭酸飲料に含まれる砂糖やカフェインが原因であるかもしれない−他の要因もあるかもしれないと認めているが」と信じている、という。多くの新聞がこの米国で1878人の高校生を対象にした研究を報道した。研究者らは十代に、ダイエットではないソフトドリンクをどれだけ飲むかと彼らの暴力的行動について調査した。無糖ではないソフトドリンクを週に5缶以上飲む人達が過去30日以内に誰かに対して暴力を振るったことが9%、1年以内に武器を持ったことが15%多かった。
この研究の報道のされかたとは違って、この研究は炭酸飲料が暴力の原因であることを示したものではない。一回だけの調査で同時にソフトドリンク摂取と暴力を調べただけなので、どちらが先なのか、因果関係があるのかどうかはわからない。このような結果は文脈をみることが重要である。学校での調査なので参加者は全ての十代ではなく、最も暴力的な投獄中や学校から排除された十代、あるいは私立学校の生徒は含まれていない。また暴力の範囲も誰かを押したということから武器で誰かを脅迫したことまで幅広く、暴力の重大性や平均的暴力レベルがわからない。暴力の原因は複雑で、単純に炭酸飲料を飲んだからというのはありそうにない。