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食品安全:報告書はEUのRASFFが重要性を増していることを報告する

Food Safety : Report documents growing importance of the EU's Rapid Alert System for Food and Feed
25/10/2011
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/1237&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
EUの食品と飼料に関するリスク情報の迅速交換システムがさらに重要性を増している、と2010年の年次報告書で明らかにした。
2010年の通知数は8582件で2009年より8%増加し過去最高となった。主な理由は国境コントロール強化による通関拒否数の増加である。市販製品の重大なリスクについての警報通知は僅かに増加して576件だった。情報通知が1168件、通関拒否通知が1552件だった。
RASFF年次報告書2010
RASFF annual report 2010
http://ec.europa.eu/food/food/rapidalert/docs/rasff_annual_report_2010_en.pdf
残留農薬については報告件数が多かったのはカルベンダジム(タイやドミニカ共和国の各種作物)、クロルメコート(インド産生食用ブドウ)、ジメトエートとオメトエート(タイ産ナスやインゲン)、ホルメタネート(トルコ産ペッパー)、インドキサカルブ(タイ)、マラチオン(アルゼンチン)、プロシミドン(タイやマケドニア旧ユーゴスラビア共和国やトルコ)、トリアゾホス(インドやタイ)など
動物用医薬品の新たな問題としてブラジル産牛肉のイベルメクチン。EUにMRLがなかったため、10ppb以下の量で通関拒否した例があり、EUはEMAの助言のもとアクションレベルを設定した。
2010年の大きな事故は12月のドイツのダイオキシン汚染事故。
ダイオキシンダイオキシン様PCBが多様な汚染源から多様な食品に検出されている。
全体としてはカビ毒に関連する通知が679件と最も多く、そのうち640件がアフラトキシンである。
急激に増加しているのは魚のアニサキスで61件の通知があった。
微生物ではサルモネラの検出に関連するのは345件、次いで多いのはリステリア、病原性大腸菌の順。トピックスとしては2010年6月のモッツァレラチーズの青変。
トピックスとして取り上げているのは未承認照射。
2009年に比べて2倍になった。EUは認可した施設でしか照射を認めていないが中国と米国にEUの認可した施設はない。
食中毒は60件報告されている。
産地として多いのは中国、トルコ、インド、米国の順。日本は4件