食品安全情報blog過去記事

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2012年3月20日の議題とペーパー

COT agenda and papers: 20 March 2012
http://cot.food.gov.uk/cotmtgs/cotmeets/cotmeet2012/cotmeet20march2012/cotagendapapers20march2012
・リスク評価にトキシコゲノミクスデータを使うことについての声明案
EPAダイオキシンに関連する重要問題の再解析とNASのコメントへの回答
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201208.pdf
EPAの最近発表したダイオキシンの非発がん影響評価ではTDIを1/3に引き下げた。これが妥当かどうか。COTは2001年にTDI 2 pg/kg bw dayを設定している。もとになったデータがヒト疫学研究とラットでの生殖毒性試験と異なるにもかかわらず、EPAとCOTの違いは不確実係数(30と9.6)の違いのためのように見える。
バイスタンダーリスク評価ワーキンググループ報告書案
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201209.pdf
農薬を散布した周辺にいる人/住民の暴露とリスクについて
・カフェインとアルコールの相互作用と健康への複合影響
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201210.pdf
情報提供のためのペーパー
・社会科学研究委員会(SSRC)による助言ペーパーの紹介
リスクと不確実性を理解する:一般の参加、コミュニケーションおよびリスク評価政策Making sense of risk and uncertainty: public engagement, communication and risk assessment policy
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201212.pdf
重要なメッセージ
○最良のリスクコミュニケーション戦略であっても全ての人に有効なわけではない。
○リスクや不確実性の量の大きさを数字や言葉で表現しても、様々な社会的文脈の中で極めて多様な解釈と質の評価がなされる。
○従ってコミュニケーション戦略を作る前に、リスクや不確実性が専門家や非専門家にどう理解されるかを理解することが重要になる。
○このような理解はリスクや不確実性のコミュニケーションについてだけではなく評価や管理全体のプロセスに役立てるべきである。それは体系化されたリスク評価政策の一部となるべきである。
参考文献の1つ
Keep it complex
Andy Stirling
Nature Volume:468,Pages:1029–1031 Date published:(23 December 2010)
http://www.nature.com/nature/journal/v468/n7327/full/4681029a.html
不確実性マトリクスとか各種エネルギーによる健康環境リスクの推定のばらつきとか
(当たり前のことをちゃんと言ってくれる社会科学者がいていいなぁ。どんなに「素晴らしい」説明でも万人向けでないのは当然で、それを批判したって何にもならない。)