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Japan's post-Fukushima earthquake health woes go beyond radiation effects
Katherine Harmon
07 March 2012
http://www.nature.com/news/japan-s-post-fukushima-earthquake-health-woes-go-beyond-radiation-effects-1.10179
地震津波と核事故の、心疾患と鬱は放射線より多くの命を奪うだろう、と専門家は言う
2011年3月11日に地震津波福島第一原子力発電所を襲った後、核事故の様子への懸念が速やかに国際的ニュースに満ちあふれた。事態が比較的落ちついてからも人々の心配は津波地震より放射線への脅威に集中した。
1年経って、公衆衛生の専門家は放射線への恐怖が大げさであることに合意している。福島からの放射線暴露による影響は「決してそんなに大きくならないと予想される」とカリフォルニア大学バークレー校の公衆衛生学Thomas McKoneは言う。コロンビア大学Richard Garfield臨床国際看護教授などはさらに「健康影響については、放射線は無視できる。放射線による死亡はほぼ無いだろう。しかしこの事故の影響は大きい。」という。
1945年に2つの原子爆弾を経験したこの国にとって目に見えない放射性物質が空気や土を汚染したことの恐怖は恐ろしいものである。
福島ではチェルノブイリほど複雑な放出はなかったし核種も限られていて濃度や汚染地域もわかっている、とRensselaer Polytechnic Institute の放射線安全技官Peter Caracappaは言う。そしてオレゴン州立大学のKathryn Higleyは批判されたものの日本政府の対応は比較的適切であったとしている。
非難地域の目安とされた20mSv/yは典型的な米国人の平均暴露量よりは多いがそんなに多いわけではない。初期のクリーンアップの労働者ですら約500-600 mSvの暴露と推定されている。
食品の放射性物質汚染も誇張されている。食品中にセシウムが入った可能性はあるがヨウ素ほど蓄積したりしない。他の目に見えない化学汚染物質と違って、放射性物質はスクリーニングで検出できる。それでも当局は健康リスクを監視する計画である。
福島第一原子力発電所の事故が当初恐れられていたより危険ではないことが分かったとしても、他のリスクは一般に予想されているより悪い可能性がある。津波でまき散らされた工業用化学物質などは検出が難しい。
日本にいる専門家は「精神衛生が最大の問題」ということに合意している。避難や不安によるストレスは心疾患などの病気と関連する。放射線のリスクが小さくても、人々は心配し、それが食品選択や運動や睡眠不足などの不健康な行動につながり長期的には健康に悪影響を与える。生存者の多くは高齢者で家族や配偶者を亡くしている。政府は住む場所を提供することはできるが家族を買うことはできない、とRichard Garfieldは言う。さらに避難者に対して「汚染されている」とみなした差別があり、伝統的日本の価値観では精神的肉体的に苦悩している時に助けを求めない禁欲主義を重んじる。
Scientific Americanに3月2日に発表されたもの

  • アルミは本当にサイレントキラーなのか?

Sense about science
"Is aluminium really a silent killer?"
6 March 2012
http://www.senseaboutscience.org/for_the_record.php/90/quotis-aluminium-really-a-silent-killerquot
2012年3月5日にDaily Telegraphが1988年の英国Cornwallでの、20トンの硫酸アルミニウムが水道に入ったCamelford水汚染事故を思い出させた。記事ではさらにワクチンや調理器具や食品や飲料など、毎日の生活の中に存在するアルミニウムの安全性に疑問を投じている。
我々はBristol医科大学の子どもの健康に関する学術ユニット長であるAdam Finn教授に意見を求めた:
過去60年以上に渡って英国人を含む世界中の何百万という赤ちゃんが、アルミニウム塩を含むワクチンを接種されてきた。もしこれが危険なら今までに何かに気がついただろう。我々の食品や医薬品に含まれる他の成分同様、アルミは注目され研究が行われてきた。しかしながら日常生活で暴露されている量で問題があるという主張は仮説のままで、この記事で引用されているような大規模事故の後ですら確認されていない。一方で子どものワクチン接種による命を救う利益は仮想のものではなく証明されている。さらに多くのワクチンのアルミニウム塩の重要な役割も証明されている。我々はワクチンによる仮想の有害影響についての根拠のない理論が無批判に拡散された場合に何が起こるかについて苦い経験で知っている。はしかが再興した。存在しないかもしれない危険を避けるために不必要なリスクを選択すること(ワクチンの有害影響を恐れてワクチンを拒否すること)をやめ、現実的なリスクを心配して根拠のある方法を使う方が良い。