食品安全情報blog過去記事

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ビタミンEと骨粗鬆症の関連は不確実

Behind the headlines
Vitamin E: bone thinning link uncertain
Monday March 5 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/03march/Pages/vitamin-e-levels-lower-bone-density.aspx
Daily Mailが「心疾患リスク削減のつもりのビタミンEサプリメントが骨をもろくする可能性がある」と報道した。このニュースはαトコフェロールの齧歯類の骨への影響を調べた動物実験に基づく。骨は常に新陳代謝していて骨密度は壊されるものと新生するもののバランスで維持されている。αトコフェロールは骨の分解に関与する細胞である破骨細胞の発達を促進することにより骨密度を減らすことがわかった。これは普通の速さで骨が作られるが早く分解されることを意味する。ヒトがサプリメントで摂取する量と同じくらいをラットやマウスに8週間与えると20%の骨量減少が見られた。面白いことに、他の形態のビタミンEには同じ影響がみられない。これは動物実験の結果で、ヒトでの影響は違う可能性がある。ビタミンEは人体でいくつかの作用をもち、ヒトでの骨密度の維持に関与する可能性はある。これを知るには大規模対照試験が必要である。人々はビタミンEサプリメントではなく普通のバランスの取れた食事から十分量のビタミンEを摂るべきである。