食品安全情報blog過去記事

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その他論文

  • セレンがミツバチの行動や生存に影響する

Selenium impacts honey bee behavior and survival
25-Apr-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-04/uoc--sih042512.php
PLoS ONEに発表された論文
Selenium Toxicity to Honey Bee (Apis mellifera L.) Pollinators: Effects on Behaviors and Survival
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0034137

  • Lancetの特集は若者の健康

Adolescent Health
Published April 25, 2012
http://www.thelancet.com/series/adolescent-health-2012
都市化、教育需要の増加、グローバリゼーション、情報への暴露などの環境変化

  • Natureニュース特集 議論のある研究:良い科学 悪い科学

Controversial research: Good science bad science
Geoff Brumfiel
25 April 2012
http://www.nature.com/news/controversial-research-good-science-bad-science-1.10511
突然変異インフルエンザの研究が議論をよんだが、リスクがメリットを上まわるかもしれない問題はこれだけではない

  • オーガニック農法で十分穫れることは滅多にない

Organic farming is rarely enough
25 April 2012
ほとんどの場合慣行農法のほうが収量が多い
http://www.nature.com/news/organic-farming-is-rarely-enough-1.10519
有機農法はしばしば環境破壊無しに世界の増加する人口を養う方法だと宣伝される。しかしその根拠には議論が多かった。
Natureに既存のデータの包括的解析結果が発表され、化学肥料や農薬を使わない農業は一部の環境では需要を満たすが慣行農法より収量は少なく、世界の食糧を生産するには肥料の使用を含む農業技術が必要だと結論した。
主著者のカナダモントリオール大学の地球システム科学者Verena Seufertは、「有機農法は一部の条件ではうまくいくと思うが、全体としては慣行農法より相当収量が少ない」という。
34の異なる作物の収量を有機と慣行で比較した66の研究をメタ解析した。有機農法の収量は34%も少なかった。特に野菜や小麦のような一部の穀物で極めて低く、有機農法での窒素欠乏が大きな原因であることが示唆された。
有機農法でうまくいくのはイチゴなどで、慣行農法より3%しか少なくない。大豆などは115少ない。
この研究は収量についてのみ検討したもので、Seufertの次のプロジェクトは環境影響解析である。また信頼できるデータが欠けている途上国での比較研究も計画している。
Comparing the yields of organic and conventional agriculture
Verena Seufert, Navin Ramankutty & Jonathan A. Foley
Nature (2012) DOI:doi:10.1038/nature11069
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11069.html
イデオロギーではなく事実に基づいて食糧安全保障について議論しよう、と言っている。

  • 食品の健康強調表示

Claiming health in food products
Liisa Lähteenmäki
Food Quality and Preference,
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0950329312000523
消費者が食品の健康表示をどう認識しているのかについての論文
健康強調表示はその製品が健康に良いと見なされる可能性を上げるが、その程度は小さい。さらに国によりどのような表示が好まれるかも異なる。イタリアでは健康表示はない方が好まれ、フィンランドではリスク削減クレームが好まれ、英国ではメリットがあるという表示が最も注目を集める。既に慣れ親しんだイメージに合うものが最も良く受け容れられる。また消費者にとっては味が最も重要な項目なので健康のために味を損なうのは好まれない。健康強調表示は消費者がそれを重要だと認識していれば価値があるとみなされるが、消費者はそのメリットが自分に当てはまるかどうか理解していない可能性がある。
(どういう意味があるかというと、健康強調表示で国民の健康を増進させることは多分できないということ。)