食品安全情報blog過去記事

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アクリルアミドの研究は喜ばしい結果を生み出した

Acrylamide study produces pleasing results
http://www.foodsafety.govt.nz/elibrary/industry/acrylamide-study-pleasing-results.htm
新しい一次産業省(MPI)の報告書はニュージーランドのポテトチップ製造業者によるアクリルアミド低減努力が報われたことを示す。
アクリルアミドは高温で揚げる、ローストする、焼くなどの通常の調理方法により自然に食品中で生じる化学物質である。MPIはアクリルアミドの存在がヒト健康問題になる可能性があることから食品中のアクリルアミドを監視している。
この調査は食品安全規制機関と製造業者がアクリルアミドの摂取によるリスクを減らすための対策をとることができるように行われた。そのためにはよく食べられる食品中のアクリルアミドの量についての情報を得ることが必要である。
2011年に行われた最新調査ではニュージーランドにおける主要アクリルアミド暴露源について調査した。これらはジャガイモ製品、穀物ベースの製品、ナッツ製品である。結果は概ね国際的知見と一致した。
調査の結果全体の暴露量へのポテトチップスの寄与は2006年から2011年の間に減少したが、フライドポテトとベイクドポテトの寄与は増加したようだ。しかしながらフライドポテトや小麦ビスケットシリアルの平均アクリルアミド濃度は2006年の結果とほぼ同じで、ポテトチップの濃度が1/3に下がっている(1,570 μg/kg から 581 μg/kg)。
企業がこの問題に自主的に対策してきたことは心強い、とMPIの毒性アドバイザーJohn Reeveは言う。
食事からの推定暴露量の平均は2006年と同様であるが、食品安全上の懸念とはならない。
報告書本文
Acrylamide in New Zealand Food and Updated Exposure Assessment
http://www.foodsafety.govt.nz/elibrary/industry/acrylamide-in-nz-food-updated-exposure-assessment.pdf
(各国の推定摂取量有り)

たくさんの野菜や果物を含み、揚げものや油脂の多い食品は適度に含むバランスの取れた多様な食生活が食事からのアクリルアミド暴露を減らす。
アクリルアミドやその他の有害な可能性のある調理による天然副産物を減らすには、熱源を食品の下ではなく上または横にするなどして食品と炎を接触させないことがよい。しかし細菌を殺すためには十分(74℃)加熱することが重要である。