食品安全情報blog過去記事

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農薬工業原料の同等性評価:不純物の変異原性ハザード

Assessment of equivalence of pesticide technical materials: mutagenic hazard of impurities
Issued: 21 May 2012
http://www.pesticides.gov.uk/guidance/industries/pesticides/News/Collected-Updates/Regulatory-Updates-2012/May/Impurities-mutagenic-hazard
EUの規制では製造業者が異なるなどの異なる由来の農薬原料(純粋な有効成分と不純物)の同等性評価が求められている。由来が異なると不純物の種類や量が違う可能性がある。ヒト健康については不純物の変異原性評価が必要になる。
EUのガイダンスはSANCO/110597/2003- rev.9 であるが、英国のCOMが最近「化学物質中不純物の遺伝毒性試験と変位原性ハザード評価戦略についての暫定ガイダンス」を作成した。これは広い意味ではEC SANCOガイダンスと同様であるが違いもある。
CRDはCOMのがんダンスはSANCOのガイダンスを補完するものとみなす。この点について以下の点に注意すべきである。
i. COMもSANCOもTTCの使用を主張し、COMは遺伝毒性評価が必要かどうかの判断にTTCの値を用いることを勧めている。CRDはEUが農薬原料の同等性評価に1つまたはそれ以上のTTC値について合意するまではケースバイケースでTTCアプローチが採用できると考える
ii. COMはQSARの遺伝毒性結果が陰性の不純物については遺伝毒性試験は必要ないことを示唆しているが、CRDはSANCOガイダンスに従っていないアプローチには相当の説得力のある根拠を求めるだろう
iii. CRDはCOMのAmesとほ乳類細胞遺伝子突然変異とin vitro細胞遺伝学ではなく2つのin vitro遺伝毒性試験(Amesとin vitroほ乳類細胞小核)しか必要ない場合もあることには合意する。もし2試験アプローチを用いるならなぜそうしたのかを説明する必要がある(注:この2試験アプローチは最近EFSAが提案したものと矛盾がないが、加盟国全てで認められたわけではない)
iv. 可能であればCRDは原料より不純物単独あるいは合成不純物で試験をすることを支持する

INTERIM GUIDANCE ON A STRATEGY FOR GENOTOXICITY TESTING AND MUTAGENIC HAZARD ASSESSMENT OF IMPURITIES IN CHEMICAL SUBSTANCES (April2012)
http://www.iacom.org.uk/statements/documents/COM2012S2impuritiesfinal2012finalforinternetr.pdf
ここではTTC 0.15 μg/person/dayから出発してQSAR陽性ならAmesと小核試験という手順